お弁当屋さん
福岡の某商店街に小さなお弁当屋さんがあります。そのお弁当屋さんは、パッと見るだけでは、何の変哲もないお弁当屋さんなのですが、夫婦で2億円の実績を出しているとの話を伺いました。
立上げ当初は、全然認知もされず、折角作ったお弁当も余るばかりで、途方にくれた時期もあったそうです。しかし、ある時、夫婦2人が食べれれば、それだけで良いと思い立った社長は、商店街で最も安い250円弁当を始めることにしました。この250円弁当が出た時には、ほかほか弁当でさえも、このボリュームで250円という弁当は明らかに非常識価格だったのです。これを1日100食限定にして販売したところ、即完売!特に宣伝をした訳でもありませんが、ドンドンとお客様が集まるようになりました。これが、このお店における口コミ着火点でした。あれやこれやと職域にまで広がり、何百食と作れば作るほど、売れる様になったのです。そんなある時、1人のお客様が「250円弁当の種類が6種類あるのは有り難いけど、こんな題材を使ったものも出来ないの?」と問い合わせをして来られました。社長は、この題材だと500円はかかっちゃうね。でも●●さんが言うなら作るよ。と言って、試しに限定10食で500円弁当を付加しました。そしてなんと試しに作った500円弁当も即完売!
今ではこの500円弁当も売れ、ドンドンお客様が700円、800円と単価を上げて行ってくれているのです。まさにお客様のリクエストに応えて商品メニューが増えていった口コミ商法なのです。そんな社長の生活は17時になるとお店を閉めます。あまりに早い1日の終業に対して、気になった商店街の会長は、せめて18時までは開けておけないかと聞いて見ました。その時、その社長は申し訳なさそうに「すいません、別に5時に帰って休んでいる訳ではないのです。このまま工場に行って仕込みをしなければ、とてもじゃありませんが、明日のお弁当の供給が難しくなるのです。今から行っても多分24時30分ぐらいまでは工場にいると思います。毎日、こんな生活なんで」と言われたのです。この社長は、これからも夫婦2人で地元密着をモットーに、この商店街で続けていくのでしょう。決して奢ることなく、常に始めた時の姿勢で・・・・