目玉価格とは・・・・頭が痛い話
非常識プライスとは何か?超目玉プライスとは、いくらを付ければ良いのか?
今日は、ある和歌山の宝石店の支援でした。その店は、先月地元新聞に7~7.5の真珠セットとスリーストーンダイヤモンドを掲載してフェアをしたところ3日間で300万円強の売上が作れたと報告
されました。以前はB3チラシで品揃え型のチラシを打ち、DMを1000通以上蒔いても、実績が取れなかったにも関らず、今回は経費10万円程度で300万円を越えたのです。それも掲載したアイテムはわずか2アイテムのみ。
そこで、最も大切な事は、どのアイテムをいくらで掲載したのかという点です。
その前に
私が船井総研に入社した10年以上前、宝飾業界で弊社社長の小山が、現場で得意の数理マーケティングを実践し、商品の品揃え構成、価格帯を含めた値段付け、そして販促への連動という流れに対して、マーケティング理論を理解しておかなければ、全く会話が出来なかった時代でした。当時、小山と一緒に、ある宝石店のプロジェクトを実施した時、競合調査をし、新たな提案商品構成を確認して貰う為に小山へ見せに行くと、中途半端な構成だと、怒涛の様に叱られ、全て一つ一つの理由を明確にしなければ絶対に報告書としてOKを貰えなかったものでした。その為、見せに行く前は、ごまかしなど絶対通用しないので深呼吸をして本当に必死だったことを覚えています。
当然、それをご支援先に説明するのですが、10年も経つと忘れてしまうのか?10年前からお付き合いさせて頂いているお店の社長もプライスを最近よく聞いて来られます。それが冒頭の「目玉プライスはいくらにしたら良いですか?」です。僕自身は知っているものと思っているので「通常プライスの4分の1です」とお答えてしているのですが、しっかりと理論があることをここで久しぶりにご説明します。
目玉商品とは、そもそもチラシ等に掲載する時に1000分の1を十分に売りさばける事を前提に作られています。つまり、チラシを3万枚だと30個が完売するということです。
その価格をAとし、競合店や市場のプライスをBとすると
A=1÷1.3×B=0.77Bです。別の式ではA=B÷√1.5=0.82Bとも考えられます。
簡単に言うと、通常競合がセールで出している価格より2割安くしなければ価格競争力を持たないという事です。(同様の商品がある事を前提)
しかし、購買サイクルが進んでいる商品特性によっては、更にプライスが落ちるのです。
つまり、定番商品(ダイヤや真珠の定番)・・・スリーストーン、ワンサイドセッティング、クロス、スタッドピアス、テニスブレス、スィートテンやパヴエ等々がダイヤで、アコヤの2点セット、黒真珠ネックレス、花珠真珠等々も、その類でしょう。
そしてそれらの商品程、通常売れる率も高いので
A=1÷(1.3×1.3)×B=0.59Bで約40%から半額です。そしてここからが問題で、ライフサイクルが進むと、より競争力が明確になるので、ランチェスターの1.7倍複合理論の数値に修正しなければなりません。そこで上記1.3を1.7に変更すると0.34Bとなり、通常競合店や市場がダイヤモンド1カラットのプラチナ素材のスリーストーンで鑑別書付きを25万円で値付けしているのに対して、それの0.34倍で85000円だと圧倒的な価格力が出ます。
これを目玉プライスと言います。
但し、これだと10万円予算の下限ゾーンになるので、85000円にしても98000円にしても数量は変わらない為、98000円で展開するということです。
そこまで決まれば、後は商品供給先の見極めです。ここで私達の出番でした。通常大体下代が10万円近くするのを6万円強で出せるメーカーを紹介して行ったのです。すると粗利35%は維持出来て、圧倒的集客を作れます。(以前は、そんな業者が、たくさんあったのですが・・・・)
多分、何を言っているのか、判らないと思いますが、もう一度、数理マーケティングの基本を説明していかなければチラシや店頭の商品構成の価格設定がメチャクチャになっているお店が多いので必要性を感じた次第です。おやすみなさい