あの人もこの人も
「そのスーツどこで買ったの?」
「スーツカンパニーだよ」
「・・・・・・あっそう」
「そのジャケット、ユニクロでしょ」
「う・・・うん、そうだよ」
「へぇ~メガネ変えたんだ」
「うん。Jの4990円でね。結構、安いでしょ」
「苦労してるんだね」
もう、そろそろ、そんな会話が聞こえてきそうな時代である。
新聞にも「20代の若者の消費傾向が変わってきた」とあった様に、アメリカンイーグルをはじめ、アバクロやH&Mの様なファストファッションに物珍しさが薄れてきた。
特にユニクロの場合、先日お伺いした経営者が来ていたダウンジャケットはユニクロだった。また、その時にいらっしゃった別の幹部の方のジャケットもユニクロだった。どちらも男性で年代は50代である。
基本、流行に敏感な10代、20代と、ファミリー層の30代、40代、そして年配層になる60代、70代も同じユニクロの店で同じ洋服を着る事に、若いので見た目の不自然さはないが、心理的な価値として無理があるような気がする。
僕は、確固たるオッサンであるが、ディーゼルの銀座旗艦店とかに行っては、洋服を買っている。接客がホメホメ大作戦で、綺麗なお姉ちゃんやカッコ良い兄ちゃんが、のせまくる。ふと見ると手には、何着か洋服を持たされて折、価格を見るとメチャクチャ高い。ジャケットとデニムのジーパンで大体8万円は軽く超える。ユニクロなら、似た様なデザインのものが10分の1だし、品質も問題ないのだが・・・・
普通、この価格を若い子は買えないだろうと思いながらも、回りは、10代、20代の子ばかりで、それはそれで恥ずかしいのだが維持になって買ってしまう。
そして強烈な後悔をする。何故なら、僕の車のバッテリーは交換になって、挙句の果てに車検で、そしてそして来月にはベルギーに自腹で行って・・・・すいません。どうでも良い話でした。
話を戻すと、言いたい事は、オッサンだからと言って、安いからと言って、スーパーとかの衣料品売場で年配の方らと一緒に変なポロシャツを買う勇気はないのだ。
洋服のA山やCナカ、Hやまでスーツを買い漁る勇気もないのだ。(良いデザインが一杯あっても)
つまり、これは、ブランドの持つ見栄であり、人から見られた時に「やっぱりね」と思われたくない予防なのである。
しかし、それが高ければ良いというものでもない。
例えば、メガネで言うと5万円近い「ラインA」という高機能な婦人メガネが、ここ3年間で恐ろしい勢いで売れて来た。そして今も売れている。
すると、街で見掛けた、あの奥様もラインA、この奥様もラインAとなると、いづれ市場は縮小に向かう。(シンプルだと、まだ良いが特徴のあるフレームだから目立つ)
あの人もモノグラム、あの人もロレックスみたいだと、必ず売れなくなってくる。
市場は、そういう小売の輪の理論で動いているのだ。
ほとんどの店は小さい街の中に位置している専門店である。
ずっと同じ商品が売れ続ける事にも限界が来る。
売れている時に、次の芽も育てる事も必要なのではないだろうか。