ムカデの足
ある時、蛇がムカデに聞いてみた。
「ねえ、ムカデ君。君は一体、どうやって、その百本もある足を上手く動かせているのだい?」
すると、それまで何気なしに歩いていたムカデは、ふと立ち止って考え始めました。一つ一つの足を意識しながらうまく調整しようとするのですが、どうにもならず、最後はとうとう足がこんがらがってしまって歩けなくなってしまいました。
これは、有名なギリシヤの寓話ですが、それだけ、自分が今まで自然にしていることを意識し出すと全てがこんがらがってしまうものなのかも知れません。
だから、私は販売員さんとして優秀な実績を出されている方に「あなたは何故、売れるのですか?」という質問は、絶対にしませんし、成功された経営者にも「成功の要因はなんですか?」みたいな事を聞いたりしません。
それは、先程のムカデと同様、きっと正しい答えなんてなく、もし仮に出てきた答えは、説明しやすく、情報をつなぎ合わせて作られたものだと思うからです。
これを読んで頂いているあなたも同じで、「何故、あなたは、その時計を買ったのですか?」「何故、あなたは、そのジュエリーを選んだのですか?」と言われて、その時の気持ちや理由を明確に答えられますか?おそらく、デザインが良かったからだとか、ブランドのカタログに書いてある様な話だとか、安くして貰ったから、店員さんに薦められたからみたいなものでしょうね。
だから、お客様にも「どんな宝石が欲しいのですか?」と聞いても明確な答えなんて返ってくるはずもなく、あくまでも会話の糸口にしか過ぎないのです。
つまり私達が成功をしようと思うなら、自分達で実践しながらその感覚を身に付けていくしかないのです。そして日々、試行錯誤の中、前へ前へ向かってドンドン行動で試して行かなければ、そこにたどり着ける筈なんてないのだと思います。
成功事例!だとか、ノウハウだとか偉そうに言っているコンサルタントも多いと思いますが、あくまでも成功事例やノウハウを作っているのは、その会社であることに間違いなく、私達は、その行動のキッカケづくりなのだと思います。