お客様への売り筋提案
「今、売れているメガネは何ですか?」と小売店の店長が私に聞きます。これは、全体の売れ筋情報を教えて下さいという意味でしょうが、そんな打出の小槌の様な商品があれば誰も苦労しません。基本的に売れ筋商品は2種類あって、本数ベースで売れているフレームや、金額ベースで貢献しているフレームを指します。本数ベースであれば、やはり集客商品が強く、単価が低く、デザインがシンプルの中でもスタイリッシュでブランド性があるもの等になって来ますので、MD管理表(POS等)をしっかりと付け、回転しているフレームの動きを把握出来る様にしておくことは必然です。もし、これが出来ていなければ問屋さんの売り込みで安いからと言って同じようなデザインばかりがセットに並んでしまいます。それとは別にそこそこ高額のフレームになって来ますと、売れ筋というよりも、販場員の提案が重要な要素となって来ますので、顧客の売れ筋というよりも販売員による「売り筋」がポイントです。売り筋は販売員の好み、お客様の好みがマッチした時に動くフレームですので一概にA店で売れているからと言って、B店でも売れるとは限りません。そこで、この部分を計るには、POSの様な数字データーにお客様の「好感度スタイル」をつかむデータベースマーケティングを付加させることが必要になって来ます。このデーターは住所や名前、電話番号、年齢、フレームブランド名、処方内容だけでは見えてきません。顧客の好感度を分析しなければならないのです。この好感度の1つとしてフレームのデザインがあります。昔は、これはフェンディだから、これはフェラガモだからというブランド力で通用したかも知れませんが、ブランドを優先してしまうと、デザインが偏ってしまいます。それよりも、お客様は、まず自分が欲しい「好み筋」のデザインを探されるのです。人は、好きなものを繰り返すことで安心感を求める生き物です。毎日の会社の通勤路や、持っているカバンや洋服の傾向、好きな男性のタイプ等々、まとめて見ると、その方のスタイルが自然に見えてくるのです。これを「繰り返しの傾向」と心理分析では述べており、提案が出来ている販売員は誰もが認識しています。この様に、低価格セットの様な価格に魅力を出す部分ではなく、お客様にしっかりとプロパーのフレームを薦めて行くには好みの傾向等のデーターベースを構築し、その中で提案していくことが、フレームを計画通りに売り切れる力の源泉になっていることを忘れないで下さい。