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また逢う日まで

 
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元船井総研上席コンサルタント。宝飾業界、眼鏡業界のエキスパートとして、約20年以上の実績をもつ。 全国の大手チェーン店をはじめ地域専門店並びに、ボランタリーチェーン、メーカー商品開発にまで多岐に渡るコンサルタント活動を実践。 すぐに成果を出す指導手法には定評があり、暗闇だと思っている状況に光を当てて道を照らすコンサルティング活動を進めている。

ルターは言う「死は人生の終末ではない。生涯の完成である。」と。

今から30年前、ある街で、ある夫婦が自分達の家を改装して10畳くらいの店を作った。

当時、親から借金して在庫200万円足らずの、それは宝飾店と呼ぶにはとても無理があるものであったが、2人にとっては、それで十分だった。

しかし資金が足りなくなると、宝飾だけでは食べていけない為、時々2人でショッピングセンターのエスカレーター下で靴磨きをした。また時には知り合いに頼み込んで住居の塗装もした。毎日新聞を見ては新たな商材を考え自分達で、それを基に様々な事を試してみたのだが、結果、宝飾が一番、自分達に合っていると確信出来た。

お店と言ってもチラシを巻く資金もなく、名簿も何もない為、市役所の知り合いに頼んでは毎日市役所で名簿を必死に控えてDMを作成した。商品も信用のない店に問屋が貸してくれないため、毎週、御徒町に行って、現金を置いて商品を借り、翌週返しに行くと言う事を繰り返した。

そんな店と僕はヒョンな事から、今から7年前の夏、突然出会った。

最初見た瞬間、店は大きく綺麗だったが、実績は厳しくなっており、まず借金の額が大きくビックリした。通常、そこでコンサルは断るものだが、あるボランタリーチェーンからの紹介だった事もあったのだが、この社長の「やる気の原動力」に感化され、引き受ける事にした。

そして、今、そのお店は単店で5億近い実績を作る規模にまでなった。

社長は、常に「先生と出会えて先が見える様になりました。人の出会いって本当に全てですね」と7年経った今でも言ってくれていた。

その社長には夢があった。その夢は、将来、自分の息子を職人にして自店に本格的な工房を作るのだと。改装には1億?ぐらい掛けて、ヨーロッパにも負けない専門的な店を作る事で当店のお客様に胸を張って貰いたいと。(1億は反対しますけど)

その実現に向けた日付を入れ、あと2年を切り出したところで社長は、今年の2月に癌で突然逝ってしまった。死にたくないと呟きながら。

最後に社長が残したものは、無借金で5億近い売上を作れる宝飾店と、優秀な従業員である。金には絶対に苦労はさせたくないと奥さんにも子供にも従業員にも、絶対に心配はさせなかった。不思議な事に、靴磨きをしていた頃から、奥さんはお金の心配を一度もしたことがないと言う。(僕は、最初の3年間は心配しましたけど・・・)

今、この会社は、社長の夢に向って動き出している。

※本日、僕のご支援先のテーブルの横には何故かカセットデッキがあった。そこには生前、社長が大好きだった尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」の曲が流れていた。

社長、また逢いましょう。そして社長の大好きな企画をしましょう。

その時まで、まずは、ゆっくりと休んでて下さい。ばいばい



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元船井総研上席コンサルタント。宝飾業界、眼鏡業界のエキスパートとして、約20年以上の実績をもつ。 全国の大手チェーン店をはじめ地域専門店並びに、ボランタリーチェーン、メーカー商品開発にまで多岐に渡るコンサルタント活動を実践。 すぐに成果を出す指導手法には定評があり、暗闇だと思っている状況に光を当てて道を照らすコンサルティング活動を進めている。

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