入り口と出口
「待機も大切な仕事だ!」
あるメガネ店で販売スタッフが奥に引き込んでいる姿を見て出てきたセリフである。
一流店は入り口と出口を大切にするのが当たり前である。
判り易い例で言うと二流旅館や二流ホテルは、最初にフロントまで客が出向いていく。
しかし、一流は、ベルボーイやドアマンから近付いてお出迎えをする。
食事をとる時も、二流だと、こちらからフロアスタッフを探し、人数を伝えるが、一流は、出迎えられて席まで案内される。
店頭は、誰も見えなければ入りにくいものだ。よくガラス張りの国道に面したメガネチェーン店だと業績が悪いと人数が少ない為、店員の姿が全く見えない光景を目にしてしまう。
「わざわざ数あるメガネ店の中から自店を選んで頂いたのだ」という精神で皆がいるなら、きっと入り易い雰囲気づくりとお出迎えの心を持ち、自然と行動に移すことだろう。
次に商品のお渡しである。
販売時には一生懸命、熱を入れて接客するが、後日の商品お渡し時には加工箱に入れたまま、簡単に済ませてしまう。
キッチリと商品を納める環境と、お世辞の一つでも言って上げたいものだ。
最後に店内でも挨拶は欠かせない。
先程のホテルの話に戻るが、二流のホテルだとフロントで受付をする、その人だけが、目の前のお客様を対応するのに対して、一流だと従業員が全員挨拶をしてくる。
お店でも、その人が対応しているからと言って、その人だけのお客様ではない。皆のお客様なのだ。当然、皆が挨拶や声掛けをして行かなければ不自然である。
そんなこんなで、当たり前の事をキッチリとやり続けることが出来る店が信頼を勝ち取る。デフレだから、自店は安い商品を販売しているからと言って、サービスの質を落とす理由など、どこにもなく、そんな事は三流店の言うことである。