偏見
今まで自分が思っていた価値観に新たな気付きを発見出来た時、お客様は感動し、そのお店のファンになるキッカケが出来るものです。判っているつもりでも、なかなか判らないものが自分自身ですので、そこに気付きが出来ることに喜びを見出します。その為、人は日々情報を求め、本を読んだり、テレビや映画を見たり、人と話したりしながら新たな価値観を形成して行きます。
我々、メガネ店に来店されるお客様も同様、今まで見たことや感じたことで収集出来た情報の中から、一つの偏見を持って来られます。その偏見の中には、自分に似合うフレームやメガネの価格、好きなデザインも全てここから始まっています。それをそのまま言われた通りに販売するだけであるなら接客は必要ありません。しかし、私達はメガネの販売プロとしてフレームやレンズを品揃えし、お客様に最適な提案を出来る勉強をしているはずです。そして明らかに、お客様より多くの情報を持ち、数ある中からお客様1人1人に合わせた最適な提案をすることで、粗利を頂いているのです。
例えば、お客様が「メガネが壊れちゃって欲しいのですが・・・」と尋ねると、通り一辺倒の接客では
「メガネですね。今、こちらのデザインが人気ありまして・・・」という会話になってしまうかもしれません。しかし、ここで感動を与える接客は「メガネが壊れたのですね。少しお待ち下さい」と言って、今、お客様が使われているフレームを見ながら、壊れた原因や使用パターンや傾向を聞きながら、お客様の本当の意図を掴もうとするものです。結果、それで修理で対応出来るのであれば、それはそれで良いし、使用パターンを聞くことが出来れば、その情報を基に様々なお客様に必要な情報を提供して行けるのです。自店で仮にジュエリーフレームや装飾が派手なフレームが売れないとすれば、逆にチャンス到来です。「そのフレームの良さを知らないお客様が商圏内に多くいらっしゃる」ということなのです。では、その良さを伝えるには、どのようにすれば良いのかを考え、そのポイントに共感して頂くことが出来れば、自店の中で装飾フレームの市場はドンドン大きくなっていくのです。
販売において、我々は何も日本全国を対象にしているのではありません。あくまでも自店の商圏内のお客様を対象にしており、ファンにして行けることが大部分のメガネ店の目的になります。
今、このフレームが売れないと諦めている方、そこにチャンスがあります。もう一度、その長所を理解し、自分自身が持つ偏見をなくしてみて下さい。