感情接客
接客の中で基本的にカタログベースに書いてある基本的機能や特徴よりも情緒的な部分に対する話題の方が心に響くものです。例えば、ロレックスというブランドウオッチがあります。その時計を接客するにおいても品質を語り、クロノメーター等の説明をするよりも、その背景から説明をした方がお客様には伝わり易いものです。
ロレックスのロゴである王冠マークをご存知でしょうか?あの王冠マークが5つに判れている意味を知っていますか?ロレックスは、非常にメンテナンスに力を入れている会社です。それは、50年間使い続けて貰える時計を提供することを会社の経営理念に掲げているからです。その為、日本ロレックスにおいても社員は営業よりも、ほとんどメンテナンスに対応できる方ばかりで構成されています。例えば、オーバーホールや修理でメンテナンスに預けると、ネジの1本まで綺麗に磨いて新品の様にして返してくれます。これも会社理念に沿った考え方から来るものです。またロレックスのケースの側は、鍛造で出来ており、キズもつきにくく、空気も地金に入らないため、変形もしくくなっています。この鍛造はF1のホイールと同素材で出来ていることからも、その性質の高さが見えて来ます。しかし、これには非常に手間が掛かり、人の手をかわさなければなりません。つまり1本1本手作業における職人技が活かされて来るのです。
現在、このロレックスを作ることが出来る伝統技術を引き継いでいる職人は世界でもわずか120人程度しか存在しません。その職人の持つ技術は1本1本の指から生み出され、その指は王様の位を与えても良いくらい大変貴重なもので、ロレックスのブランドそのものであると称えています。その為、あの王冠マークは5つに分かれ、職人の指を象徴しているのです。
私達は、様々な時計を取扱いしていますが、このロレックスが特に好きです。50年使い続けていただきたいという想いを常に掲げ、父から子供へ、そしてその孫へと引き継がれていく時計。父から子へと引き継がれた時計には、それぞれの想いが込められ、世界でたった1つのかけがえの無い宝物へとなっていくもの。そんな時計が大好きです。
と語った方が「安いですよ~」という売り方よりも専門店らしい売り方だと思いませんか?
それを私は、「感情接客」として訴求しています。