国際宝飾展
ある支援先の宝石店が昨年の12月に160%の実績を出した。その主な要因は、クリスマスに限定でオリジナル商品を作成し、その商品を400本以上も1ヶ月で販売したことであった。今の時代に儲けを生み出す手法として付加価値が明確で価格比較が出来ない差別化商品を、全面展開で販売して行くことである。単価は20万円のスリーストーンダイヤのプチネックレスであったが、デザインにオリジナルのストーリー性があり、他店になく、その商品の持つ付加価値を十分にお客様へ伝えることが出来た点が成功のポイントであろう。また付加価値を演出する為に専用のポスターやリーフレットを作成し、販売員も含めた一体化が出来た点も大きな要素である。昔の時計店や宝石店は、店頭に所狭しと商品が並んでいる訳ではなかった。2~3点の商品をお客様の顔を想定しながら社長が仕入れて来て、欲しいと思われるお客様に勧めていくような商売である。しかし、より多くのお客様を集客する為に、ドンドンと商品を導入し、総合宝飾店へとなって行った。時代に合わせる為にも、これは間違いではないが、あくまでも原点は自店のお客様の傾向を踏まえ、お客様が欲しいと思える商品を品揃えしなければならない。そして品揃えした商品については、お客様に付加価値を語れなければならない。この要素が薄れてきてしまうと、店頭の品揃えも自然に増えて来てしまい、結局、お客様の顔を想定するのではなく、メーカーや問屋の顔を見ながら仕入れてしまっている様に思えてしまう。その仕入れは本当に必要なのだろうか?そんなことを国際宝飾展示会が毎年行われるこの時期に、ふと考えてしまう。