店の基準
私がご支援させて頂いているメガネ店や宝飾店に訪問させて頂く時には、必ず、売場から伝わる雰囲気を肌でチェックしています。
毎月、お邪魔させて頂いている先には、細かく売場をチェックしている様には見えてなくても、しっかりと雰囲気や空気を感じています。そこで違和感があれば、売場の配置や商品構成を見て、そして販売員さんと会話しながら原因を追求して行くようにしているのです。
これには、マニュアルなんてものは、ありません。
ただ一つ言えることは、私は、10年以上もメガネ店ならメガネ店、宝飾店なら宝飾店と普通のレベルという基準を山の様に見てきましたので、普通でないレベルが判る様になったのです。
例えば、皆さんが普段宿泊されるホテルが毎回、シェラトンホテルやリッツカールトンホテル、ホテルオオクラ等であれば、その環境が普通という基準になることでしょう。
そこで、皆さんが、私達にとっては普通以上だと思っているホテルに泊まられたとしても、ホテルの従業員のサービスや、部屋に装備されているもの、そしてそれらを含めた環境の違いに対して、きっと驚かれることだと思います。
また、高級ブランドウオッチを購買する時もいつもディスカウンターで並行輸入品を購買されている人が、ブランド直営ショップの対応を受けるとビックリしてしまったという事もよく聞く話です。
つまり、物事の良し悪しには、比較出来る何かが、基準としてあるから実感出来るものなのです。
これは、ご支援先の店舗に来店される新規のお客様も同じことです。
仮に自店がメガネ店であれば、新規のお客様が来店され、そのお客様が以前にスリープライスショップで7,000円のメガネを購買されていたとします。そのお客様にとっては、その接客や売場の空間、そして商品レベルが、一つの基準として持っています。
しかし、同じ7,000円のメガネを買ったとしても「この店は凄い!」と思って頂ければ、それが新たな基準となり、そのお客様の脳裏にインプットされる事は間違いありません。
流出率の多い(競合が激しく新規比率の高い)この業界で、永遠に自店で購買され続けるお客様は、そんなに多くはない事でしょう。それなら、同じ流出されたとしても、自店の接客を通すことによってお客様の期待価値を上げる事が出来れば、そこまで追いついてないレベルの他店に行かれたとしても「イマイチ」と感じて頂けるぐらいのプライドを持って、取り組んで行きたいものです。
そして1店1店がその姿勢を貫くことによって、街全体のメガネ店における質が高まっていくのだと思います。
そうなると、きっと他所から来たどこかのチェーン店では、直ぐに撤退するしかないでしょうね。