予期せぬ宝
古代スリランカの寓話の一つに「セイロンの三王子(Three Princes of Serendip)」というものがあります。
この話は、自然を愛する長男と芸術を愛する次男、そして勇気を愛する三男が、「ドラゴンに死を」という魔法の巻物を求めて旅に出るという、よくあるストーリーです。しかし、ロードオブザリングやインディジョーンズの様な怪物が出てくるようなファンタジーではなく非常にわかり易い内容になっています。その中で3人の王子は、よくものをなくして探し物をするのですが、目的のものは出てこない変わりに、予期しないものを次々と掘り出していくという非常に教訓めいたことを伝えています。
「私達が世の中で当たり前だと思っていることを当たり前に感じるのではなく、目の前の出来事に対して如何に幸運として捉え、そこから新たな道が予期せぬ様に広がっていくものだ」ということです。
そしてこの童話に感動したイギリスの作家ホーレス・ウォルポールが「偶然による大発見
をセレンディピィティと呼ぶことにしよう」と手紙で友人に提案したことから「セレンデ
ィピィティ」という造語が作られ、今日まで伝わっていることは、あまりにも有名な話だ
そうです。ちなみに僕は話を聞くまで全く知りませんでした。
確かに万有引力の法則を発見したニュートンのりんごの木やノーベル賞を創ったノーベル自身が不安定な液体爆弾を安定化させようと苦労を重ねた結果にダイナマイトを産出したことなど、科学のほとんどが、セレンディピティの中から生まれています。
そう思うと仕事でも何でも、自分が一生懸命に頑張ることによって、様々な予期せぬ宝が見つけられるかもと思うと「やる気」が出てきませんか?