会員の権利行使
本当かどうか判りませんが、昔、自販機の営業マンがお店の前に自販機を設置して貰う為に、「試しに置いてみて下さい」と言って、夜な夜な毎日通って3000円分の小銭を入れていたという話があります。これで「ねえ、売れるでしょ」と言って本格契約に漕ぎ着けたということですが、やはり実績を見せるということは、百の理論や理屈より、最も説得力があります。
話は全然、変わりますが、皆さんもご存知かもしれませんが、リゾートトラストという会社があります。ここは名古屋の会社でリゾートホテルやシティホテル、ゴルフ場を数十箇所も所有している会員権事業を行っており、日本で圧倒的に1位の地位を築き上げています。
ここのホテルは、会員でなければ泊まれないのですが、会員獲得というよりも顧客ケアに対して最も力を注いできたところが他の会員事業会社と異なるところです。
どんなに多くの会員を獲得してもホテルの利用率が悪ければ、会員である権利を会員は手放してしまいます。そこで、顧客の会員利用率をしっかりと営業は把握し、利用率が悪ければ、営業マンが訪問して個別に調査をしたり、自分がお供をしてでも利用して頂ける環境を作っています。
また、利用したお客様が「感動」出来る様に、比較的使い易いホテルの権利は豪華で世界的に有名なコンシェルジュを置き、最高のおもてなしを徹底できる環境を作っているのだそうです。そしてそれを体験した会員は、喜び、次回は家族や友達を誘って何度も、この感動を体験したいと思える様な会員の権利を積極的に使いたくなる仕組みを作り上げたのです。
これも、体験や実績を見せるというものの一つだと思います。
自店は、メガネ店でも宝飾店でも、もし会員制度か何かを設けているのであれば、それを使っているお客様の利用率やその仕組みをしっかりとチェックし、机上の空論的な会員組織になっていないかチェックしてみて下さい。会員は会員の権利を行使しなければ、何の意味もないのです。