需要の喚起
山に囲まれた3万商圏に位置するメガネ店が閉店セールをすると一ヶ月に450人近いお客様がメガネを作られました。この町は過疎化でドンドンと商圏が少なくなっていくというデーターを見て、つい先日まで意気消沈していたのに、キッカケがあれば、まだまだお客様は存在している。いないと思っていたのは、自分への言い訳に過ぎない事に気付いたと語られました。
あるメガネ店が、大手チェーン店が何店もあり、また有名なセレクトショップも多数存在する街に新たなメガネ店を作られました。オープン初日の来店客数は700人。これだけメガネ店が存在している中、来店された700人のお客様は、どこに今までいらっしゃったのだろう。
私達は、売上が悪いと、つい言い訳を探します。原油の高騰、物価の値上げ、企業の業績不振等々に伴う給料の削減、業界の現状の様な情報を聞くことによって、どこか心のよりどころを求めてしまうものです。
僕たちから言わせると、そんなのは関係ありません。別に皆さんは、日本全国を視野に入れて商売されている訳でなく、逆に景気がよかったとしても現在の自店に魅力がなければ決して来店されることなく自動車で1時間以上かけてもSCに出て行かれるに過ぎないからです。
私達の使命は、私達のお店が存在する街で商品を通した需要を生み出し、その魅力を景気に頼ることなく提供し続けることだけなのです。
有名な話。ある大手ハンバーガーチェーン店には、裏マニュアルが存在していて、そのマニュアルには、飲み物の需要を喚起する為に、フライドポテト等の塩加減を調整する様に書かれています。ハンバーガーチェーンで一番原価が高いのは、勿論、ハンバーガー。そして一番利益が取れるのは、コーラ等のドリンクで、ドリンクが出れば出るほど儲かるからだそうです。
また、昔、新幹線の温度を2度上げるだけで、飲み物が出る量が格段に上がると聞いたこともあります。
これらは、いい悪いは、別にして、需要を生み出している環境づくりなのかも知れません。
私達のお店が、仮にメガネを取り扱っているのであれば、メガネの需要を生み出す刺激、また宝石であれば、それを付けたいと思える様な刺激を提供し続けられるかどうかが、この時代に活性化出来るお店かどうかを今、問われているのだと思います。