一生涯お客様と付き合う
多額の販促経費をかけて新規客の獲得をし続けるよりも、一度来店していただいたお客様の再来率を上げ自店のファン客=生涯客を増やすために経費を使う企業が増えています。これはメガネ店でも同様のことが言えます。チラシで一旦獲得した新規客を固定客化する、一生涯自店のお客様にすることが今後ますます大切になっていきます。
一度自社の顧客となった人を生涯自社の顧客とするための事業戦略が多くの企業でとられていますが、その中で今回は、ベネッセコーポレーションについて紹介します。
ベネッセコーポレーションは、1955年の創業当時は中学生向けの学習手帳を販売する会社でした。その後、高校生向けの模擬テスト進研模試を展開し、小学生向けの教材作り、そして1988年に1歳~6歳を対象として幼児講座「こどもチャレンジ」(現在会員145万)を開催、2002年にはその対象年齢さらに引き下げ月例6ヶ月~1歳を対象とした「こどもちゃれんじbaby」(推定会員5万人)をスタートしました。更にベネッセは、「たまごクラブ」、「ひよこクラブ」で妊婦用の雑誌も創刊したり、女性が子育てをしながら社会生活を送っていくための支援も始めています。つまりベネッセは、中学生向けの学習手帳の販売からスターとして自社のターゲット年齢を上下にひろげていったのです。
現在ベネッセは、“1人ひとりの良く生きるために”をコンセプトに、教育・語学・介護・生活の4つを事業の柱にてし、一度顧客になったお客様を逃がさない事業戦略がとられています。これは新規のお客様を獲得するよりも、一度ベネッセを何らかの形で利用した人の方が再度自社の顧客になりやすいからです。高校になってから進研ゼミに初めて入会してもらうためには、他社との競争も激しいのが現状です。しかし、ベネッセのように生後6ヶ月からの幼児教育を提供している会社は圧倒的に数が少ないのです。また、妊婦に絶大な人気を得ている“たまごクラブ・ひよこクラブ”の存在もあります。この考え方は、マクドナルドも同様です。マクドナルドはハンバーガーを小さい頃から食べてもらうことで、大人になってからもたまに食べたくなる懐かしい味として覚えさせようとしています。マクドナルドを子供の時に食べていない世代は、大人になってからあえて食べたいと思わないでしょう。団塊の世代がこれに該当します。逆に、今の子供のようにマクドナルドを食べて育った子供(段階ジュニア)は、大人になってからも、自分の子供をつれて違和感なくマクドナルドを利用します。
ここで申し上げたいことは、自店に一度でも来店してくださったお客様に再来店していただくほうが、まったくの新規客を来店させるよりも容易だということです。
もう一度言います。これからの店は、新規客を獲得し更に、リピート客をどれだけ増やせるかが大切になります。自店では、チラシで来店していただいたお客様を一生涯自店のお客様にする気持ちで接していますか?