パート・アルバイトのやる気
企業の姿勢が変化し出しました。まだまだ景気回復とは行かない中でも、新卒採用もうなぎ登りに増えだし、銀行でさえも、一旦リストラした社員を再度呼び戻す方向で動いているという話です。そんな中、パート・アルバイトの雇用需要も高まりだし、人材確保の厳しさが取り上げられだしてきています。ケンタッキー・フライドチキンは、優秀なパート・アルバイトを採用する為に福利厚生の整備を充実させて来ています。時給を10円、20円引き上げるよりも、効果があるとにらんだからでしょう。その一つとして従来は正社員向けに実施していたテーマパークやカラオケ、英会話教室などの使用に対して、パート・アルバイトでも会社負担により格安で使用できる様になったことです。また家具のイケアでは事務所の横には従業員向けの託児所があり、最長で朝の7時から夜の9時まで預かる環境が整備されています。その保育費の一部をイケアが負担しており通常よりも低価格で利用できるのも安心して働ける環境の一つとして注目されています。
ここで大切なことは、従業員には、まず働く理由が存在しているものです。その理由を私は「やる気の原動力」と呼びますが、この原動力を把握しておかなければ継続した雇用は難しいと言えます。人にはお金以外にも働く理由というものがあります。その一つに「この会社が好きだ」という愛社精神が存在しますが、それが時代と共に希薄になってきていました。昔は終身雇用という日本の文化を反映した制度の中で、勤続年数に伴い、将来における収入の見込みが立つことが大きな特権でした。そしてその特権の中、生計を立て、家のローンや車等の購入をしてきました。しかし、世の中がアメリカナイズされ成果主義（資本主義の原型）という、表面上の夢を与えますが、中途半端に行うと非常に怖いシステムの導入により、将来に向けての安定という要素がなくなりだし、会社に対する不信と不安の中、社員をつなぎ止めているのは「お金」という約束事が大きな柱になってしまっていたのです。確かに、自分の能力を評価される部分としては、効果はありますが、業績だけが特化される中、愛社精神という部分を反面なくしていく可能性もあったのです。人には、お金で動く人、お金だけではなく小さな子供がいても働ける環境を求める人、友達と遊びに行っても格安で利用できるエステやテーマパーク、飲食店、気の合う仲間と楽しく働ける雰囲気等々、それぞれには、それぞれの理由があるのです。その部分に対して今まで会社は目を向けてきたのか？従業員が愛社精神もなく、不安と不満一杯で働いている中から、決して顧客満足は生まれないことを肝に銘じておきたいものです。
