逆転の発想
商売をしていると、必ず逆境の状態というものが出てくる。例えば、SCに競合店の出店や従業員の意思疎通からくる退職、赤字運営店舗の蓄積、突発的に起こる地震や台風等の災害等もその典型的なパターンである。しかし、それらの逆境には、必ず新たな成長のキッカケというものが存在しており、チャンスを与えてくれる。昔から成長の反対は平凡と言われる様に、現状維持は衰退の始まりである。常にお客様の嗜好を計り時流の波を泳がなければならない。しかし、お店が安定している時には、中々、腰が上げられないものなのである。例えば、こんな実例がある。それは、今では当り前に店頭に並べられているメガネのトレイシーのことだ。トレイシーは、もともとブラウスの生地としてアパレルメーカーで開発された。しかし、いざ販売して見ると「汚れがドンドン生地に付着してしまう!」というお客様からのクレームの嵐が起こり、返品の連続であった。通常ならばマイナス志向になり、商売のやる気も失せ、立ち直れなくなってしまいがちであるが、このメーカーは違った。これをチャンスとして捉え、汚れを拭き取るメガネ拭き(トレーシー)としてメガネ業界に売り込み、爆発的にヒットさせたのである。これが逆転の発想であり、どうすれば、この商品を活用出来るのかに発想を180度切り替えた点にある。成功者の99%は、愚直に一生懸命に目先の仕事をやり遂げてきた人ばかりである。その過程で失敗を経験しなかったものはいない。失敗を恐れず、次は絶対に同じ間違いをしないと思える、その性格が全てを物語っている様な気がする。