眼鏡の品揃え
売上を上げるために、ターゲットを広げるべきか、狭めるべきか?眼鏡の品揃えは、企業のブランド戦略の考え方と同じです。短期的に売上を伸ばすために、製品ラインを広げるか、人々の頭の中にブランドを築き、将来の売上を増やすために狭い製品ラインナップを維持するか?商品ラインナップを広げれば短期的な売上は作れますが、長期的に見ると消費者の頭の中にあるブランドネームを傷つけるのです。リーバイスは、より広い市場にアピールするためにバギー・ジッパード・ワイドレッグなど多数の異なるスタイルやカットを導入し、一時期27通りものカットが揃い、更に顧客に合わせてカットするサービスまで始めたました。それにも関わらず、過去7年間でデニムジーンズの市場シェアは31%から19%への下落しました。同様の失敗はアメリカンエクスプレスetc・・・その逆に商品ラインナップを絞って大成功した企業の一つがスターバックス・コーポレーションです。通常アメリカのコーヒーショップにはパンケーキ・マフィン・ハンバーガー・アイスクリーム・パイ・朝食・ランチ・ディナーと何でも揃っていました。しかしスターバックスの創設者ハワード・シュルツは、コーヒーだけを売るお店を作り、年間何億ドルの売上を達成する成長著しいチェーン店になりました。
物が溢れいる現在、しかもメガネそのものでの差別化することは無理。同じ商品が販売されていた場合どこのお店に消費者は来店するか。来店させる力、それがお店のブランド力です。消費者の頭の中に自店の明確なブランド化、このお店はどういうお店か、ができてていると自店は圧倒的に強い店になるのです。そして、そのブランド化のためには、まずは焦点を絞ること、自店のメインターゲットを理解しておくことが必要です。
今日本では、少子化の中で子供にターゲットを絞った企業・お店が高い成長率を持続しています。ベビー・子供にターゲットを特化し、急激に業績を伸ばした全国チェーン“子ども写真館”、2002年の11月に東京・お台場にオープンした子ども専用美容室“CHOKI-CHOKI」(対象0歳~小学生)、2003年に千葉・「船橋ららぽーと」にオープンしたベビー枕専門点”Suya(スヤ)(対象0歳~6歳)などがあります。閉鎖的な業界の中でベビー・子どもに特化して新しい需要を生み出した好例が子ども専用写真館といえます。
ここで言いたいことは、むやみにターゲットを広げ品揃えを増やすことは、けして自店の売上を上げるための良策ではないということです。むしろしっかりとターゲットを決めた品揃えをしているお店こそが強いのです。