デフレの落とし穴
同じ商品で勝負するなら、お客様は立地の良いショッピングセンターに行かれるのは当然です。
しかし、その商品が自店だけに存在するものなら、お客様は、自店に来店されなければなりません。消費者ニーズの多様化に伴い、市場はよりメーカー商品の拡販に移っていきます。グッチやディオール、フェラガモだけでなく、店内に陳列されたブランドを見ても、大体のお店で手に入れることが可能です。つまり横並びの競争原理が、ここに出来上がってしまいます。この一つの脱却が「ニッチ市場」を狙うことです。例えば、軽井沢にはこれといった寿司屋がありませんでした。そこに築地には、とても勝てませんが、そこそこ美味しいと思える寿司屋が出来ると1番店になってしまいます。中古車を販売する業者がたくさんあっても中古タクシーに特化して市場を確立している業者もあります。また先日、ご支援していた宝飾店では、大商圏に隣接している為、大手が進出して来ない閉鎖商圏ですが、競合店が存在しないことにより、完全に1番店化出来ています。つまり、このデフレの時代は、多様化、多様化と言われていても、市場は金太郎飴の様に、総合化に向ってしまうところに落とし穴とチャンスが存在するのです。
この時代に勝つには、完全な1番化(県内200坪、5000本以上の最大級のメガネ品揃え)かどこにも負けない商品や感性、個性を明確にしたところに人は集中するものなのです。商圏を問わず、自店で1番化できるものは、今、何なのでしょうか?何が特徴なのでしょうか?そこを明確にしなければ、巨大店舗や立地の良い店には、とても立ち打ち出来ません。即ち、競争市場の中で、他店が取り組まなかったものに取り組む心構えが必要になってくるのです。その為には、データーを調べるのも良し、お客様に聞くのも良し、出入りしているメーカーさんに客観的な意見を聞くのも良し、商圏内の狭間を探すのも良し、様々な情報の中から、「これだ!」ということを見つけ出した時、社長はこの部分に経営資源を集中するという決断によって、商圏内に独自の特化した市場(自店の顔)が創り出されてくるのです。