オジサンフレーム
その昔、下着は、男性「ふんどし」女性「ズロース」を付けていました。
そして着物が普段着として普及する中、当初の麻から肌触りと染色の鮮やかさから木綿へと移っていきます。すると、着心地が変わり、それによって首が長くなり、撫で肩、柳腰という具合に日本人の外形や輪郭に変化が生まれだして伏し目がちで内股という仕草事態にまで影響して来たものだと言われています。つまり、付けているものによって身体の変化が起こり、人の意識まで変化を起こしてしまうということなのです。
身体に装着する上においてメガネや宝石も変化を起こすものです。綺麗な宝石を付けると、凄く気持ちがワクワクして来たり、カッコ良いメガネを付けると、自分の顔が変わった様な気がするのも、大きな特徴なのかも知れませんね。
という訳で、先日、縁があって支援先の社長の店で今、流行の「ダサ眼鏡」を買って見ました。
所謂、人気のあるMOSCOT(モスコット)でなく70年代に人気の合ったレイバンのウェイファーラーみたいなタイプです。
おそらく巷で、このタイプの眼鏡を付けているのは、年老いたオジサンか、10代、20代の若い男の子達ぐらいしかいないと思われますが、何を血迷ったのか、「先生が今まで掛けていたメガネのどのタイプよりも、それが一番似合います!」の一言に心動かされてしまったのです。
この時、凄く楽しくなって「これで、メガネのファッションを判っている!」と周りのメガネ店や宝飾店の社長に思って貰える様な気がして、買ってはみたものの、ホテルに帰って鏡で改めて見て見ると、どこからどう見ても「如何にもオジサン」になってしまってはいないだろうかと少しばかりの不安が頭をよぎりました。
確かにドラゴンアッシュのボーカルやジョニーデップの様な人が付けるとファッションみたいにカッコ良く見えるのですが、私の場合だと「ただのオジサン」になってしまうのは、冷静に考えれば判りきっていた事なのに、気の迷いだと言い聞かせたのです。
そして本日、それを付けて宝石店の支援に行きました。何故か、誰1人としてメガネについて触れてくれません。ジャポニスムの時は、「メガネ良いですね」と販売員さん達や社長も言ってくれたのに、明らかに、そのメガネよりも特徴があって判り易いのに、結局、最後の最後まで会話の中にメガネは存在しませんでした。
何て優しいご支援先の皆さんなのでしょう。私を傷つけまいと思い、必死で笑いを噛み殺してクリスマスや初売り対策に集中する様にしてくれたのです。
でも、やっと、これで吹っ切れました。私は見た目50代を目指します。ダサ眼鏡が似合うだけの貫禄あるオジサンになります。「これからはサーモントの時代だ!」って言いまくって街に1人でも多くのオジサン仲間を増やします。何故なら、このオジサンフレームを今、私はとても気に入っているのですから。