人徳
「成功するには、何が最も大切だと思いますか?」という問いを私は、よく聞く癖があります。
この問いは、既に成功している様に思える企業のオーナー様や、これから成功に向って進みだすオーナー様にも伺います。その時、成功しているオーナー様から帰ってくる応えは大体同じような内容になっています。それを一言で申しますと「人徳」。つまり徳を積みなさいという意味です。彼らも最初から成功している訳ではありません。全ては人と人との出会いとタイミング、そして信用、これらを如何に蓄積してきたかが非常に重要なポイントになって来るのだそうです。成功する人は、まず、お金では決して買えない信用の大切さを理解しており、その部分を作っていきます。それが例え、今はお金にならなくても、自分の信用を作るのです。例えば、ある経営者から何かを依頼されたとします。その仕事自体を儲けやお金という部分だけで捉えると、ほとんどの人は、請けません。何故なら時間と労力を考えると割に合わないからです。しかし、成功する人は、そんな近視眼的に物事を判断するのではなく、その仕事を通した経験や、その仕事を通して出来る人脈、そしてその仕事に対する姿勢や実績を出すことによって目に見えないものが確実に蓄積されて行くことを知っているのです。これを価値として捉え、将来に繋げて行くのです。しかし、最初から儲けや自分のメリットだけを考えた人脈づくりだけを考えた人では、簡単に見透かされてしまいます。その人には人脈や仕事の幅が広がらず、最初の段階では儲けていたとしても継続させることが、難しくなって私のところへ相談に来られるオーナー様も何度かお見受けしました。そこで最初の質問が出るのです。私自身も、この「人徳」という徳の積み重ねを非常に重要視しています。その時だけの損か得かで物事を判断するのではなく、自分にとって「やりたいかどうか」を心に聞いて見て、決心する。そして一旦引き受ければ、決して挫折しないこと。これだけを船井総研に入社してから、今も守り続けていることです。