あり方とやり方
商売をするにあたって特に大切なものが2つあります。
その一つが、「自分はどうありたいか」という心のあり方と、「具体的にどう行動していくのか」というやり方です。
例えば、「お金持ちの家に生まれた人」や「何かで成功した人」が高級外車を乗ってたり、モデルと付き合っていたり、オシャレな時計をしていたりしても、幸せな人なのかどうかなんて本人以外判りません。
少なくとも、
「俺の彼女、CAやねん!」
「俺の車、ポルシェやねん!」
って感じで、それを「持っている」という事を一生懸命アピールしている様な人は、心が寂しいなぁ~と思っても、その人への魅力を回りは感じたりしませんよね。
(まぁ~それに魅力を感じる人もいますが、それは本人ではなく、その所有しているものに魅力を感じて、そこに自分も肖りたいと思っているだけだと思います)
でも、仮にお金はなくても、「1人でも多くの人を笑わせたい」と思って頑張っている芸人さんや、芥川賞をとる為に作家になりたいのでなく、「読んで貰った人が、たった1人でも印象に残る様な本を書きたい」と思って日々書いている作家さんには、魅力を感じたりします。
これをしっかりと伝えていくのが「あり方」の教えなのですね。
よくコンサルタントで吉田松陰さんとか、松下幸之助さんとか、本田宗一郎さんとか、中村天風さんとかの話をしたりするのも、この心のあり方に気付いてもらう為の土台作りだと思います。
しかし、この土台があっても、そこに具体的な商売の感覚、つまりマーケティング(売るための仕組み作り)がなければ、心のビタミンだけで終わってしまいます。
そこで必要なのが「やり方」です。
やり方というのは、どんな業種でも、人が人に、モノにしろ、サービスにしろ価値を提供して代金を頂戴するという商売の土台にいる以上、実績の上げ方という方程式というものが存在しています。
これは宝石店でもメガネ店でも存在しており、顧客というものを中心に展開されていきますし、間違いなくスポーツと一緒で繁盛する店には、それだけの事をしています。
そして売上は、直線的に伸びるものではなく(急激な売上の伸びは急激な反動が起こる)、ロジスティック曲線的に伸びるものです。
つまり、次の売上のステージに進むためには、時間と経費をかけても、成長しているかどうか判らない段階が必ず起こり、ある時、ポンッと次のステージに上がっていると言う様な感覚です。(これは地域一番店になった店でも必ず経験しています)
久しぶりに会った人も、「なんか雰囲気変わったね」と思う事が多々ある様に、自分では成長であろうと退化であろうと一番感じにくく出来ているものなのですが、周りは一発で感じます。
それが、モノ言わぬお客様の怖いところですが・・・・
そんな感じで、方程式の中には、蓄積という項目があるので、それをどの辺りまで来ているのかを把握するには、自分でなく外部のコンサルタントの目も必要になるのかも知れません。
一番、残念なのが、この方程式というものが判らず、「俺の感覚」というもので勝負をかけて、上手く乗っている時は良いのですが、一度転び出すと、ドンドンとドロ沼に陥ってしまう事かも知れません。
そして、これからは、この「あり方」70%、「やり方」30%ぐらいの比重(感覚)で重要だとマーケティングの神様F・コトラーが3.0で伝えているのだと思います。
売れないと、儲けないと商売は継続出来ません。
でも、そればかりが先行すると、やってて楽しくなくなってしまいます。
自分のやりたい事、それの進化と成長を見て行きたいものですね。