気付く者
刑事ドラマで代表的な「刑事コロンボ」や日本で言うと「相棒」「古畑任三郎」や昔、キムタクが主演で大ヒットした「HERO」にしてもカッコ良い主人公は、周りが気付かない小さい事に気付いて事件や物事を解決して行く。今の「半沢直樹」のドラマも主人公が小さな糸口から逆転の突破口を開いていくものだ。
確かに、あれらはドラマとして作られたフィクションなので出来すぎている感はあっても、商売を考えるに当たって大切な要素なのかも知れない。
かの有名な斉藤一人さんも「商売というものは微差力で決まる」と本で書かれているのだが、目に見える様な大きなところではなくて、どうでも良いと思える様な「小さな事」が積もり積もってお店が繁盛したり、不振に陥ったりしていくものかも知れない。
ただ、小さな事は、通常、販売員さんでは、なかなか気付かない。それは、誰もが見凄してしまいそうな事に気付くには、それだけの視座と経験に伴う知識と努力の積み重ねが求められるからだ。
つまり、経営者や幹部の大きな役割になる。
「売場に笑顔がない」「活気がない」「お出迎えやお見送りに心が篭っていない」「お客様に対する姿勢がゾンザイになっている」「売場の演出が変わっていない」「荷物が売場に置きっぱなしになっている」
「什器に埃が溜まっている」「従業員の身だしなみが乱れている」などなど。
何をしょうもない話を思われるかも知れないが、間違いなく目の前のお客様の何人かには嫌われる。
暗闇でタイマツを灯すと、近くは見えるが、遠くの灯りは見えてこない。
その場合は、確かにタイマツを消さないと行けない。
しかし、遠くばかり見て、近くのタイマツを誰かが照らしておかなければ、何でもない石ころに躓いたり、穴に落ちたりしてしまう。
そして、仮にその時、近くに熊の糞や足跡に気付くものがいるのといないのでは、その後、大きな違いになってくるのだろう。