時間を有する
ノーベル賞(生理学・医学)の授賞された山中教授。
山中さんは、学生時代、ラグビーや柔道に熱中していた時期があったらしい。
その時、けがの治療で外科に通ううちに、医師を志すようになったそうです。
しかし、卒業後の研修で、大きな挫折を味わいます。
手先が不器用で、普通に上手な先生がやると20分で終わるような手術も、山中さんがすると2時間も掛かってしまいます。挙句の果てには「ジャマナカ」と周りから言われ邪魔者扱いをされ医師を諦めるところから、今回に繋がる大きな転機が始まるという物語が、よくニュースの中で語られています。
あるご支援先の社長の母親も、当初は鶏を飼って実家の手伝いをされていたそうですが、手先が不器用で養鶏に向いていないと周りから言われてきたそうです。しかし、凄く話が面白いという特徴を買われ、そこから地元超一番店の宝飾店へと繋がったそうです。(大分と、割愛しましたが)
僕も高校進学の時は、3者面談で担任の先生に「●●君は自衛隊が良いと思います」と真剣に母親に語られ、大学の時は、新撰組に憧れて就職活動などせずに刑事に本気でなろうとしていたのですが、挫折してしまいました。(学生時代の同期は刑事が何人かいます)
人生ってそんなものですね。
さてさて、少し話は変わりますが、よく憧れの店へのクリニック(繁盛店ツアー)というものがあります。
先日も10坪で1500万円売れているという宝飾店を見てきました。
そこで置いている商品も、導入する事が可能で、お金があれば、全く同じ店を作る事が出来ます。
確かに、そういう店と実績を聞くと憧れますし、その商品を導入すれば自店でも1500万円売れるような気にさえなります。
でも、ここに大きな問題があります
見学した、その店は既に1500万円売っているお店です。そこに来店されるお客様も、その店の良さを理解して、その店に合う客質が形成されています。
つまり、何年もかけて、商品構成やデザインを研究して、その店の客質に合う様に創り上げてきたのです。
それをまだ客質が出来ていないお店が真似をして地方で行ったとしても、その商品を誰が購買してくれるというのでしょうか?
自店には自店が置かれた環境というものがあります。
先程の1500万円の店を目指す事は目標として良いでしょう。でも直ぐに出来ないのです。
ゴルフでも盆栽でも何でも一緒ですが、一流の道具を揃えたからといって、それを使いこなすまでには、時間を有する事だけは心得ていたいものです。