蝉の様に
顧問を努めさせて頂いているメガネのボランタリーチェーンにおける年間の実績が出ました。
一応、8月が決算なので、この団体の大きな節目になります。
メガネ業界で言うとレンズの単価が大幅に下がり、スリープライスショップやワンプライスショップにおける低単価路線への浸透により、通常のやり方では客単価が低下します。
その穴埋めとして、客数をアップさせなければならないのですが、人がわんさかと集まる大商圏と異なり、人口のパイが決まっている中小商圏において、客数を2倍3倍と増やすことは、業態事態を変更させなければ不可能です。その為、客単価の下落というのは命綱になってきます。
ですので、大手チェーン店を始め、ほとんどの専門店も、客単価下落で業績を落とすのは、当然の事だと言えるでしょう。
しかし、10年前と比べても実績を落としていない専門店が、この団体にはいらっしゃいます。逆に当時よりも大幅に実績を上げている専門店もあります。
それは、諦めることなく、前を向き、目標を持って取り組んできたお店です。
僕自身の考えですが、よく面接とかで勤続年数を自慢される人がいます。
それはそれで長所だと思うのですが、肝心なところは、何をして、何を残して来たのかという質の部分にあると思います。
セネカの「長生き」という意味は、時間的に長く生きた人を長生きというのではなく、単に時間的に長生きしたというのは、「長くあった」に過ぎないのであって、生きるということと、有るということは根本的に異なるのだという言葉があります。
この時代の流れの中でも、ただ単にメガネ店を運営していたのと、成長させてきたのとでは、同じ10年でも意味は違うと思うのです。
1日1日、緊張感を持続させながら、運営をしていく事は、難しい事かも知れませんが、自店に「こうありたい」「こうなりたい」という目標がなければ、1日1日の一歩に意味がなされない気もするのです。
(単なる金儲けだけを考えるのであれば、投資をして切った張ったで良いのです)
これは規模の大小ではありません。
大きいメガネ店でも、一つ一つ、考え、前を向いて取り組んでいるところもありますし、小さく色々チャレンジ出来る環境にいても、身動きする事に恐れ、そこに必死にしがみ付いている様なお店もあります。
蝉は、約7年近くも地中にいて、地上に出ても、1週間しか生きれません。
しかし、そんな限られた時間がある事も気にせず、死ぬ寸前まで必死に鳴き続けます。
会社を潰して良い事なんて何もありませんが、同じ時間を過ごすなら、蝉の様に、1日1日を向上出来るように頑張っているお店を応援していきたいと思っております。