イベントの本質
子供の頃、夏になると地蔵盆が楽しみだった。
僕ら子供には、よく判らないお菓子が配られ、公園には金魚すくいや綿飴や屋台が並んでいて、ポン菓子の音だけが、やたら印象的だった。
夕方過ぎには、多分、今の人は判らないだろうが、春日八郎の「お富さん』や、「月が出た出た月が出た」の歌い出しで有名な『炭坑節』などが流れ出し、赤い提灯の中、街のおじちゃんやおばちゃんが踊っていた。
そして最後を締めくくるのは、特大の映画か花火である。それらが上映される頃には、もう眠くなってきているので、大体は、家路に着く。
こういうイベントは、いくつになっても心に残っているものである。
先日も、ご支援先が宝石の催事を行っていた。2日間で90人ぐらい集客して約1100万円売れたそうだ。集客に動いたのは、店の奥さん1人である。来て欲しいお客様だけに勧誘をされた。
宝石の催事は、店内でなく、雰囲気を変えるべく、別の場所で行っている。
イベントとして、来店されたお客様には、お土産を差し上げるだけでなく、カラーセラピーやお茶菓子などを食べて頂き、その時間を楽しんで頂く。
会場にある宝石は、今まで店頭に飾った事がないような、宝石をメーカーさんが持ってきており、会場一杯に、煌びやかな宝飾品やカバン、靴などが並び、それを見たり付けたりしながら、楽しむ事が出来る。そしてその時間は、お婆ちゃんでも、お母さんでも主婦でもなく1人の女性に戻れる時間になるのだ。
大人になると、町内会の催しだとか、そういうのは、大体は、主催者側になってしまう為、あまり楽しめないものだが、いつから大人は楽しむ場をなくしてしまったのだろう。
強引かも知れないが、宝飾のイベントは、街のお客様が楽しめる場なのかも知れない。
通常イベントの中には、津軽三味線が演奏されたり、似顔絵、風水、オーラソーマや占い、スピリチュアル、マジックショー、宝塚、ニューハーフショー、ものまねショー、タレントと楽しめるものをその都度準備しているものである。
そこにお客様が、販売員や周りのお客様に気を遣う必要はない。思う存分に、その時間を楽しめれば良い。
もし、これが本当に宝飾だけをみたいお客様なら、モノだけ買って、とっとと帰られる事だろう。でも、そんな人は、ほとんどいない。1人1人の滞在時間が結構長いのだ。
中には、お客様同士が、その会場で友達になったりする。隣の町だから、普段、接する事もないお客様同士であっても、自店を通して輪が広がっていく。
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当然、皆が皆、宝石を買われる訳ではない。でも、そこで強引に売り切っても、小さい街で、そのお客様を失ってしまって、今後、何の得があるのだろう。
だから、決して売り込みはしない。それをメーカーさんにも徹底して伝えているから、その時に買われなくても、後日、お客様が店に来てくれたり、また次のイベントに参加されたりされる。
展示会や催事って、そんなものやないだろうか?
催事予算は、凄く大切だけど、もっと大切なことを忘れてはいないだろうか?
あなたが、お客様だったら、あなたの店の催事に来たいと思うだろうか?
そして、本気で楽しめると確信出来ているだろうか?