純金と鉛
人間の脳というのは、少しでも前に進んでいると感じれば、そこに喜びを感じる様に出来ているらしい。
最近までメガネのボランタリーチェーンでHOYAのBOOMレンズという高級レンズのキャンペーンを実施し、また3月から別のレンズのキャンペーンに変わっても実績が高いところの勢いは止まらない。
そのキャンペーンで加盟店の中には、トリニティという最高級レンズを1ヶ月で何十枚と販売している店があったり、BOOMのレンズだけで1ヶ月80枚近くも販売していたのに、次は別のレンズかと文句を言うどころか、長所を見つけ、楽しそうに取り組まれている。
こういうキャンペーン一つにしても、必死になって店頭説明ツールを作ったり、DMを作ったりして、一組でも販売が決まる事で喜んでいる姿を参加されていない他店が見たら「そんな次から次へとキャンペーンばかりして・・・」とバカに思われる事かも知れないが、そのバカに見える事に本気で夢中になっているメンバーを僕は心から応援している。
オリンピックも今年の夏に開幕するが、マラソン選手にしても、水泳選手にしても、サッカーにしても、ほんの数秒タイムを縮めたり、ボールを相手より多くゴールに押し込めるという事に、毎日毎日考え、練習し、必死に取り組んでいる姿は、彼らにとって、その瞬間瞬間が人生の楽しみに繋がっている様に思える。(今は例え苦しくても、いつか人生を振り返る時があれば、必ず楽しい思い出に変わっている筈である)
僕ら、商売人は、絶対に気持ちが冷めてはならない。
1人でも多くのお客様に来店して頂き、1本でも多くのメガネを販売し、1円でも多くの売上や利益を獲得することに冷めてしまう程、本人にとって悲しい事はない。
純金と鉛。
純金は純粋だ。混ざり気が、そこには何もない。そこに弾丸の様な鉛を加えたら、一瞬で変化してしまい、純金の質が落ちてしまう。
変な比喩かも知れないが、僕は組織というものは、純金でなければならない様に思える。
個性はあっても、純粋に商売を楽しみ、小さな小さな成長でも本気で喜び合えるスタンスが大切なのだと思う。鉛を加えてはならない。(ここで言う鉛は、惰性である)