順調なところ
経営哲学者のアインバールハイトさんは、「経営とは、もてる資源を最大限に活用して、目的達成を極大化する行為である」と言いました。
同じ水を見ていても天人には、それが水晶の床に見え、人間には飲める水に写り、魚には自分の家に見える。しかし、心の汚れた餓鬼には、それが膿んだ血にしか見えないという「一水四見」の様に、優秀な経営者は、自分達の持つ資源をハッキリと捉え、一つの情報からでも、ドンドンと具体化させて行く能力が素晴らしいと感じています。
よく例えられる話かも知れませんが、プロは、どこを見ているか!という視点の中で、誰かに料理をご馳走した時、相手が「美味しかったです!」といくら言葉で感想を述べたとしても、料理が沢山残っていれば、それは本心ではありません。だから、本当に見る視点は、その料理を食べられている表情や行動、食べている時の勢い等々を絶対に見逃さない様にチェックしているものです。
だから、顧客アンケートだけ見て、自店は高得点だと思っていても、それだけを信じては危険なのです。(肝心なところが見えていない)
商売も同じですよね。お店から出て行くお客様の後姿を見れば、また来店されるかどうか判るという例えも、接客中におけるお客様の行動や言動、表情、全てにおいてチェックした集大成が、最後のお見送りになるからです。
僕らもコンサルタントとして日々、お店を回っているのですが、聞いている経営者や幹部のチェックをさせて頂いております。
言葉で「やります!」「これ面白いですね!」と言っても言わなくても、基本的にその段階で勢いがあるかどうか、実は、熱で把握出来ているのです。
そういう時には、ドンドンと回転して行きます。
本日も、某長野の宝石、メガネ店でコンサルタントをしている時も、特に順調なブライダル部門で新たな似顔絵サービスを提案していたのですが、早速、社長の情報網を駆使して検討しても、1枚6000円から8000円ぐらいになります。
そんな時、別のご支援先からメールが入り「先生に紹介して貰ったイベントが凄くて、今月12日までで3000万円近くの宝石の売上が作れています!2月なのに驚きです」という内容でした。(一店舗です)
すると、この店は確か、似顔絵サービスを1枚2500円で出来る大変評判が良い業者をご存知だった事を思い出し、即、紹介して貰う事が出来ました。
勢いがあるところには、情報という資源も全て駆使して動かれているので、その開いたところに、また別のところから情報が入り込む事が出来るのです。
つまり、同じ情報でも何も動かないと、何も新たな情報の連鎖が起こらないと言う事かも知れません。
順調なところは、新たに動かれているところで、厳しいところは既存のまま動けていないところ。それだけです。