マリッジリングって何だろう
今日は、国際展示会の2日目。
色々な方とお話させて頂きました。
その中でもクリスチャンバウアーというマリッジリングを展開するユーメックスの社長様と1時間近くお話させて頂く機会もあり、凄く勉強になりました。
クリスチャンバウアーは、1914年第一次世界大戦の時に、初めて鉄でウエディングリングを製作しました。
当時は、戦争で出て行く旦那さんに対して、無事で帰ってきて欲しい、たとえ離れても2人の絆の象徴として想いを込めて作成されたものです。
遠く戦地へと赴く者と、それを見送る者。
2人にとって絆を感じさせてくれるのは唯一、身に着けたリングだったのかもしれません
内側に彫られたモミの木モチーフも「2人の愛が大きく育ちますように」という願いが込めれているところも粋ですね。
その為、現在でも、バウアーの原点は、ここから始まり、一生付け続けられるものという考え方から出来ています。
工場ではベンツやBMWも手がけており、20代から30代になっても40代になっても、50代になっても色あせることなく付け続けられるものとして、鍛造製法(傷付きにくい。付け心地が違う)だけでなくデザインにも特化しています。
海外では、ゼクシーに掲載されている商品を見せると良い悪いは別として「これはファッションリングだね」と言われるそうです。
デザインを見て、これ可愛いと思って買っても、それをお婆ちゃんになっても付けていられるかどうかが疑問。一生付けるものだから、付け心地にこだわらなければならないのに、
見た目の感覚だけで選ばれてしまうのも疑問。真っ先に枯渇するのはデザインなのだから。
これはドイツの歴史の考え方にあり、アンティーク的なベンツも未だにお洒落に感じてしまうという100年経っても色褪せないがテーマです。
n>
ある日、バウアーの直営店にカップルが来店されました。
バウアーの考え方は、結婚リングを選ばれる時は、全て付けて試して欲しいという事を浸透させています。
洋服を買うのに試着しませんか?
靴を買う時に履いてみませんか?
という事で、取り敢えず付けて頂き、ドンドン感触を確認して貰います。
しかし、その時、そのカップルは、ニコリともせずに真剣に選び出したそうです。
販売員も最初は事情が判らなかったらしいのですが、決定後、このカップルは、結婚しても仕事の都合上、当面、一緒に住む事が出来ないのだそうです。
旦那さんは自衛隊か何かで奥さんは・・・忘れましたが、なかなか逢えないという状況です。
当初のバウアーの歴史にある離れ離れになっても2人の絆の証として真剣に選ばれたのだそうです。
その話を聞いた販売員は「本当にバウアーを選ばれて良かったですね」と売り手の感覚でなく、心底、そのカップルの立場にたって、その様に涙ながらに伝えられたそうです。
カップルは、その時、本当に嬉しそうに店から出て行くときに「敬礼」をして帰られました。
3金(金に銅など)の合金であろうと2金であろうと、商品における差というものは、金やプラチナという概念で見ると、あまり他の商品と変わらないのかも知れません。
(製法は別ですが)
本当に伝えなければならない事は、結婚リングとは何なのかという想いであると社長は言われていました。
デザインが可愛らしいファッションリン
グ的なマリッジリングを否定している訳ではありませんが、心に刺さる考え方でした。
そして、その後、会社に戻り、新規でブライダルショップを開業しようと検討されているお客様と打ち合わせ。
早速、僕は、その方にバウアーの話を熱く語ってしまいました。