利益率は悪いですね
本物の漁師は、魚が釣れないと思えば、狙う魚を変え、道具を変え、場所を変えるものだ。
いつも同じ所を巡回していて、「今日も魚いねえ」と嘆いているだけでは、絶
対に釣れない。
これはセコムの創業者である飯田亮さんの言葉であるが、ようは売上が悪い悪いと嘆いていても何も始まらないのだ。
例えば、メガネ業界で言えば、やれJINZだZOFFだ、眼鏡市場だと、彼らの年間に販売している本数を合計すると日本でのメガネ販売本数の20%を占めているのだから、彼らが4分の1の本数シェアを取った時点において、通常メガネ店でも客単価の下落というのは免れない。
仮に客単価を極端に伸ばしている店は、「この時代に凄い!」と持て囃される事もあるかも知れないが、内心、経営者は必死だと思う。
きっと既存の顧客頼みになっているに過ぎないからだ。
商売の安定における原理原則は、やはり客数であると僕は思う。
赤札堂の様に4800円で1.74の薄型レンズを付けたセットを展開したり、遠近レンズ付きセットが6500円から展開したりしているが、周りの専門店が「安くし過ぎ」と文句をいくら言っても判断するのは、あくまでも消費者である。
それで、商品本数も1万本以上展開していて、お客様も満足し、しっかりと会社に利益を残せているのであれば、誰がどうみても、その会社が凄いのである。
こんな話をすると「安売り」は最低だ!と突っ込まれそうだが、1人1人の顧客を大切に時間をかけて!商品はセレクトのこだわりで!利益をとってと、さぞかしもっともらしい事を言って並べても、経営者であればそんな事は言われなくとも100も承知している。
そして、それで社員を何人も雇って、上手く行くなら、世の中にチェーン店や3プライスショップやワンプライスショップよりも、そういう店の方が多くなるに違いない。(パパママストアの嵐である)
そんな中
自店はタレックスのレンズをやっているので、それを訴求したい。
自店はフライのフレームを扱っているので、それを訴求したい。
という様な事を相談されたりするが、答えは簡単だ。「じゃあ、沢山のお客さんを呼びましょうか?まずは3500円の薄型セットをしますか?遠近、中近。近近の9000円セットしますか?500円サングラスをしますか?1000円の既製老眼でもしますか?」
と極端に切り出すと、普通の経営者は
「とんでもない!!そんな事をしたら利益率が悪くなるじゃないですか?」
と必ず言います。
「確かに利益率は悪いですね。でも。お客さんが来なければ、自店の店や品揃え、接客も何も伝わりませんよ。そして仮に、その安いセットを買われたお客さんでも、自店に満足されたら、次にメガネを買おうかなぁ~と思った時、どこに行こうと思いますか?」
「そして、そこに他店よりも素晴らしい品揃えをしている、スポーツ系のサングラスやジュニアフレームのコーナーがあったら、人に伝えたくなりませんか?」
本日の支援先は、今月も1店舗メガネだけで800万円は行くと思われます。
店内に素晴らしいメガネは沢山ありますが、その社長は言います。
「もし、仮に、これで自店が潰れるぐらいなら、この業界自体、魅力がないものになっているでしょうね」と。