変化だね
組織全体に一つの勢いを付けることが大切である!
よく2代目や3代目の経営者に問われる言葉の中に「創業は易く、守成は難し」がある。
意味は、言葉通りなのだが、新たに事業を起こす事に比べると、その事業を守り維持するのは、一層難しいというものになる。
確かに、創業時から共に働いてくれた仲間や協力者が沢山いても、事業が一旦軌道に乗ると、その環境に依拠しようとする者ばかりになるので、新たな変化が生まれなくなる。
本日は、メンバーと一緒に宝飾の街である甲府に行って来たのだが、この言葉が、今の甲府にある宝飾メーカー全体を物語っている様に感じた。
本日、お伺いした宝飾メーカーは、特に、他社にない最新設備を持ち、腕の良い職人を抱え、5億以上の在庫も持っているメチャクチャ凄い実力を持つ会社である。
だけど、社員のほとんどは電話待ちスタッフや職人で、厳密に言えば営業は1人しかいないので、僕の支援先も含む宝飾店は、そのメーカーの存在をほとんど知らない。
宝飾市場が3兆円産業もあった時代には、造れば即、問屋や小売店に納品でき、次から次へと注文が来ていたのであるが、今は違う。市場は7千億円ぐらいに縮小し、問屋は在庫を抱える余力もなく、また小売店は、ほとんど仕入れはしていない市場だ。
そんな状況で口を開けて待っていても誰も注文などしないのが現状であるのだが、組織は、当時のまま何も変わっていない。
こういう時は、サッカーでもバレーボールでも野球でも、その時代に勝てる組織へと変貌させる事を求められるのは、客観的に見れば素人でも判る事なのだが、いざ当事者になれば、何をすれば良いか判らなくなるものなのだ。
歌にもなったが、昔、宋の国の農夫が、田んぼで農作業をしていたら、木の切り株に兎がぶつかって死んだのを見て、それ以後、農作業を止めてしまい、株を毎日見守っていたという諺の様に、環境が自分の都合の良い様に変わる事を願う体質を人は多い。
しかし、これでは会社は、決して活性化しない。
自分で変化を起こさなければ、周りの環境が自分の都合の良い様になるなんて99%ないと思っておいた方が良い。
その為、時代の変化に対して率先垂範するのは、経営者であるトップ以外に誰もいないのだ。
>組織を変貌させ(配線図みたいなもの)、戦略を練るのは、どんな会社でも頭であり、「頭動けば尾も動く」のが、世の会社のあり方であるからだ。
先日、マイケル・ジャクソンがスリラーのメイキングビデオで来ていた赤いシャケットが1億以上の価格で落札されたという報道があったのだが、これも納得出来るものだった。
ご存知の様に「スリラー」は、マイケルの代表的な作品で、一気にメジャーへと駆け昇る転換的なアルバムになる。
全世界で1億4000万枚が売れ、ギネスにも認定されたものなのだから、この作品は、何世代にも渡り永遠に語り継がれ、伝えられていくものになるだろう。
つまり、それだけスリラーという一つの作品が、全世界に喜びという影響を与えたのである。
仕事とは、文字通り、事に仕えると書く。Busy-nessという言葉も、忙しいという名詞形になり、働くという言葉も傍を楽にするという意味から始まっている。
このどれもに、「金儲け」という意味は含まれていない。
確かに儲けないと、会社は永続しない事は、経営者なら誰でも判っている。
しかし、これが目的になると、苦痛を生み出してしまう。
それよりもまずは、自分の持つ強みで、周りを喜ばせる事を考えた方が良いだろう。
どうすれば、自社が周りに喜びと言う影響を与えられるだろうか?
そこに軸を持つと、自ずと、今から動き出す方向が、きっと見えてくると
思う。