やらざるを得なかったのだ!
『母をたずねて三千里』
昔、日曜の夜になるとフジテレビが19 時30分から放送していた「世界名作劇場」シリーズのアニメである。今でも歌を歌えるぐらい、当時、印象を受けたものだ。
物語は、小さな少年マルコが、イタリアのジェノバから、アルゼンチンのブエノス・アイレスまで出稼ぎに行って、消息が判らなくなった母親を尋ねて行くというものである。
持ち前の明るさと人当りの良さで、色々な人に支えられながらも、最後は病気で倒れていた母親と見事に再会を果たし、ジェノバへ帰ってくるのだが、普通に考えたら凄まじい物語である。
わずか小学生ぐらいの男の子が、お金も持たず3,000里≒11,700kmの距離を移動したことになり、日本の北海道の端から沖縄までの距離で3600 kmだと考えると、途方もない大冒険になる。
では、何故、マルコは旅に出たのだろう?
停泊中の船に忍び込み、アルゼンチンへ向かえば母親に会えるという自信や確信はあったのだろうか?
そんなものは、ある訳ない!
行かざるを得なかったのだ。
母親が心配で、いてもたっても、いられずに、無我夢中で飛び出したのだ。
僕は、商売でも何でもそうだが、何かをやろうと決意した時と言うのは、そういうものだと思う。
だから、そういう店ほど、真剣に頑張る。そして、そこに向かう為に、一つ一つ課題をクリアーして行く事で、必ず、その思い描いた形へと達成するものなのだ。
もし、今、僕達が、何かをやりたくても動けないとすれば、それは本気じゃないからだろう。
本日、大阪市が、平成22年度の一般会計決算見込みの速報値を発表し、生活保護費が過去最高額を更新する2910億円となる事を発表した。
生活保護費の増加は20年連続で14万6千人にも上り、一般会計に占める割合は17・3%にまで増加しているのだそうだ。
生活保護は、「大阪が通り易いよ!」と、他の地方で評判になっていて、地方から保護を受ける事を目的に移動して来ている人がいる事を市は理解出来ているのだろうか?
西成では5人に1人が保護者で、本当に必要な人もいるが、遊興に使っている人もいるらしい。
折角、14万人という、とてつもないパワーで仕事をやれば、何でも出来るのに「やらない!」というのは、本当に勿体ない。
やらざるを得ない!
それが大阪には必要なのかも知れないなぁ~と本日も一生懸命に頑張っている支援先から帰る道中で、ふと感じたのである。