複雑さが生み出すもの
皆さんは、サンドイッチ専門ファストフード店「SUBWAY」をご存知だろうか?
僕は、何年も前に後楽園の前にある「SUBWAY」で、注文の仕方が判らず、ずっと店員と睨めっこしながら悩んでいたら、後ろに並んでいたガキに急かされてしまい、二度と行くかと思ったチェーン店である。
おそらく、僕だけでなく誰もが最初、注文に戸惑った事だろう。
何故なら、ここは最初からセットになっているマクドナルドとは違い、オリジナル性が強く、自分だけの「こだわり」サンドウィッチを作るというコンセプトで展開しているからだ。
それはパンの種類選びから始まる。
選べるパンは4種類。(通常、この段階で戸惑う)
ハニーオーツ(オーツ・大豆・ハチミツ)・セサミ(ゴマ)・ホワイト(プレーン)・ウィート(小麦麦芽入り)の中からセレクトするのだが、パンの形状を見せられても何が何やら判らない。
次に野菜もトマト・レタス・オニオン・ピーマン・ピクルス・オリーブがあり、その量も選ばなければならない。更にドレッシングなども自由に選べて、注文を終えた瞬間に溜息が出る。(やり切った感がある)
しかし、この複雑怪奇な「SUBWAY」が世界90カ国32000店のサンドイッチチェーン!であり、マクドナルドよりも店舗数が圧倒的に多いと言うのだ。
そんな中、先日、お付き合い先に、今日のお昼は、どうしましょう?と尋ねられ、その時の選択肢が「フレンチ」「リンガーハット」「はなまるうどん」「SUBWAY」であった。
これらは、全て、そのご支援先が宝飾店とは別にフランチャイズで全国で経営していた。
まず、僕は「リンガーハットが大好きで、東京の宿泊先の近所にある事から、週に何度も通っていたのだが、ある時、ご支援先から頂いた「株主優待券」を出してからというもの、妙に顔を覚えられ、一気に馴染客化現象が起きてしまった。片言の日本語を話す店員にまで「オキャクサ~ン、コッチヘ!」と特等席に連れて行かれる。(とても恥ずかしい)
「はなまる」は、美味しいのだが、何か、あの選ぶ場面では、沢山の天ぷらを載せないと店員に嘗められるみたいな感じがして、貧乏人である僕は、意地になって載せてしまう癖があるのだ。結果、ウドンと言うよりも天ぷらの下にウドンの出汁があるみたいになり、油モノを食べ過ぎて胸が苦しくなってしまう。
そして最後の「SUBWAY」は、過去のトラウマがあり、またご支援先も一緒となって、モタモタしていたら、バカにされてしまうと思ってフレンチを選んだ。
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取り敢えず、フレンチの店に向かう途中にご支援先が経営してい「SUBWAY」の店舗の前を通ったのだが、メチャクチャ人が並んでおり、超繁盛していた。
どうやら、社長曰く1日40万円ぐらいのペースの売上があるという。
はなまるの方も1か月に1700万円の売上があるという。
在庫なし、パートさんの人件費のみ、オペレーションの仕組みだけで、これだけ売れているのだ。
一瞬、宝飾店が悲しくなって来たのだが、いやいや宝飾には夢があると首を振って、平静を取り戻したのだが、しばし元気を失ってしまった。
さてさて、そんな中、社長曰く「SUBWAY」が32000店舗になるには、それだけの仕組みがあると言う。
それは、複雑さが生み出すリピート率の高さだそうだ。
最初は、確かにほとんどの人が「得サブ」みたいな感じか「オマカセ」で注文されるのだが、何度も繰り返し来店されると通的な注文をしてくる様になるのだそうだ。
牛丼の「つゆダク」レベルではなく、店員にテキパキと指示している姿は、確かに通に見える。
デートでも彼氏が、指示している姿を見ると、おそらく彼女は、「できる男」と勘違いするかも知れない。(本当にできる男かも知れないが)
でも、複雑さが生み出すヘビーユーザー化というものは共感出来る。
メガネもセットばかりでなく、もっとお客様個人に合わせたプロパーやオプションというシステムも見直す必要もあるのかな?