アイドリングタイムから
1903年12月17日(木曜日)、風は毎秒9~12m。目撃証人になってもらう為、集まったその人数は、わずか5人しかいなかったが、それはエンジンがかかり出し、午前10時35分、ついに機体を縛っていたロープが解かれた。
フライヤーはレールの上を40フィートほど走って浮き上がり、波打つような飛び方をして120フィート前方へ着陸した。大気速度は毎時およそ30マイル。
滞空時間はわずか12秒間の飛行であった、がしかし、この日、世界史上初の飛行として歴史を刻む事となった。
このライト兄弟の偉業から、わずか66年後に、人類は、遥か月に行き、実際にその表面を歩く事にまでなったのだ。
昔から、この話に凄く興味を持った。
ライト兄弟が、実際に飛行機を飛ばすまで、どれだけの月日を世界は待ち詫びていたのだろう。どれだけ空を自由に飛ぶ鳥を眺めて、その世界に憧れていたのだろう。
しかし、それが出来てから、技術は一気に動き出し、60年そこそこしか経たない内に、人は宇宙にまで行く事が可能になったのである。
なんか、FIレースの前のアイドリングタイムが、そこにあって、青の信号に変わった瞬間、一気にエンジン全快スタートを切って走り出すという様なイメージを受けたのだった。
僕は、普段の仕事においても、こんな感じなのかなぁ~と思う。
1日の仕事、1年の仕事、3年の仕事、10年の仕事と期間だけで捉えると色々あるだろうが、これらには、全てアイドリングタイム期間とゴールデンタイム期間、クライマックス期間と、それぞれ期間が別れるものだと考えている。
例えば1日中、ジェットコースターの様な時間だと、一気に疲れて、後半何も仕事が手に付かなくなるだろう。
また、一日中コーヒーカップに乗っている様な時間だと眠たくなって、仕事が前に進まなくなってしまう。
でも、それで良いと思う。
コーヒーカップやメリーゴーランドに乗っている時間は、その時間として楽しめば良く、1日の中でジェットコースターやバンジージャンプ的な時間は、一気に集中すれば良いだけで何も、コーヒーカップに乗っているからと言って焦る必要などない。
そう遠くない時間にパッと信号が変わったみたいに、ゴールデンタイムが音訪れるからである。
僕のチームも今、ある宝飾店のプロジェクトで、資料を集め、情報を収集している。
今は、出来るだけ、自社の中身を知り、考え方を知る時期のアイドリングタイム時期になる。
しかし、その期間も長くは続かない。エンジン全開!のスタートの信号が灯った時、ここで蓄えたパワーが多ければ多いほど、一気に放出され、改革が動き出す。
その時を想像し、ムズムズし出しているメンバーを見ると、非常に楽しみになる。