使命とは何か
4億円の工作機械。
当時、資本金600万円だった本田技研工業(株)が、日本の工作機械ではいいものは作れないと、当時4億5000万円もする最新鋭の工作機械の輸入を決意した。
本田という会社が世界一の製品を作るには、のどから手が出るほど欲しがったものだったが、この決意は無謀である。誰もが、これで本田は終わりだと思った。
しかし、本田は語る
「確かに、これで本田は潰れるかも知れない。でも本田という会社が、たとえ潰れても、この機械そのものは日本に残る。この機械は、これからの日本の産業を考えると必ず必要になってくる」
その気持ちを察して藤沢氏は、それを購入させた。そして、その後、昭和27年の不況が押し寄せたのだが、それを必死の資金繰りで耐え凌いだのだ。
宝飾業界にしてもメガネ業界に関わらず、景気が悪い、先行きが見えないと、誰もが語る。
その通りだ。不景気になればなるほど「ウイナーズテイクオールの時代」(1人の勝者が全部持って行ってしまう)になるのだから、その他は厳しいに決まっている。
でも、自分達の使命!!つまり心まで不景気になったら終わりだ。
自店の存在を自分達が否定をしている店で誰が買いたいと思うのだろうか。
今の土壌で畑が作れないなら、自分達の町の土壌作りから始めれば良い。
そこで、1つ1つ、積み上げて行けば良い。
1本の大根が出来れば、隣にも出来ている筈だ。
今の時代には、覚悟と勇気、そしてそれを奮い起こす使命が必要なのだ。