普通という言葉
ミスをするにもレベルがある!とテレビで某監督が、ミスした選手の事をアナウンサーに愚痴っていた。
まっ、それはそれとして、経営者が言う「普通」という言葉ほど差があるものはない。
これはメガネ店でも宝石店でも同じだが、繁盛しているお店ほど、キッチリとやるべき事をやっている。
よく繁盛店視察等で、どこかの経営者が「御社が成功している要因は何ですか?」みたいな定番的な質問を先方に尋ねると決まって返ってくる言葉は「いえいえ、うちは特に変わった事なんてしてません。普通ですよ。何も特徴的な事なんてないのですよ」という様なニュアンスになります。
でも、よくよくと話を聞くと、売り場の演出の周期や、顧客に対するフォロー、顧客同士の関連図、現役客や離脱客管理、マーケットインからプロダクトアウトのMD展開等々、全然、普通じゃない。「全然、普通じゃないじゃん!!!」と、そこで突っ込んでも、それが普通なのだと思っているのだから、その店にとっては普通なのです。
確かに、あの伝説的なサービスと言われているディズニーでさえ、毎日1000通以上のクレームが上がってきたり、ホテルのリッツカールトンにしてもクレームは多数あるものだ。
しかし、通常のテーマパークやホテルと比べても、顧客に対する取り組み姿勢や、社員のモチベーション等々は、非常に高いものだろう。
そして、彼らは、それらのクレームを毎日、毎日、真摯に受け止め、次に同じ事を繰り返さない様に、細心の注意をはらって活動していく。
それを何年も何年も繰り返し、対応して来た店が言う普通と、通常の店舗が考える普通とは明らかにレベルの差における違いがない訳がない。
東大や京大に受かるような人が勉強しているという言葉。
全国大会で優勝する様な人の言う、普通の練習。
映画評論家が、見ている映画の量。
研究者が、没頭している研究の時間。
どれも同じ。普通という言葉に騙されない様に!!