権威と商売は違う
某メガネ店のご支援先が今年80周年を迎え、当時の創業時の店舗写真をチラシに掲載された。その看板には、メガネではなく大きく「蓄音機」と書かれており、横にはコロムビアの文字がある。
コロムビアという文字は、現在の人から見ればコーヒーか何かと勘違いするかも知れないが、コロムビア・レコードの事で、もともとアメリカのレコードレーベルの一つである。それが、今ではソニー・ミュージックエンタテインメントの一部門となってしまっているのだが、歴史を持つメガネや宝石店である場合、大体、コロムビアのレコードを扱っているところが多かったらしい。簡単に言えば、当時時計の服部SEIKOの名前みたいな列記としたブランドだったのだろう。
そんな中、巷の新聞では音楽賞の中でも最高の権威と言われるグラミー賞に日本人が4人も選ばれたと騒がれていた。
グラミー賞の名前を聞いた人も多いと思うが、グラミーはグラモフォンから来ており蓄音機を指している。つまり、1958年から続く音楽業界における音楽の原点みたいな賞で、この賞に輝けば世界的に名前が響く権威が付くらしい。
そして中でも、今回受賞したB’Zの松本さんは、最も競争が激しいポップ部門に食い込んだののだ。
でも考えさせられる事は、今回、活動の中で組んでいた相手が過去グラミー賞に3度も受賞していたラリー・カールトンだった。要は、グラミー賞の申し子みたいな巨匠であったので、飛躍的に技術レベルが向上して見えるというハロー効果も手伝ったのかも知れない。
という話をとりとめもなく書いてみたのだけど、今回、言いたい事は、ココからである。
歴史あるコロムビアの称号を掲げていても、グラミー賞に輝こうとも、商売は別である。
権威があるから、「俺、凄いだろう!」と演出しても、それを凄いと判断するかどうかは、お客様である。
グラミー賞に輝いたからと言って、現在のオリコンでAKBや嵐に勝てるかと言うと、また話は違ってくるし、その昔、コロムビアのレコードを扱っていた老舗が、そのままレコードを売り続けていたとしたら、現在まで、おそらく残っていないだろう。
ただ、それらが必要ないという話を言っている訳ではない。
それらもあれば良いのだが、それに慢心してしまい、溺れてしまっては、元も子もないと言う事である。
所詮、人間はアナログ的な生き物である。検眼技術もトリプルSを持っていたからと言って繁盛する訳でもなく、補聴器の技能資格を有していても補聴器が繁盛する訳でもない。
宝石の知識としてジュエリーコーディネーターで1級の資格があると言っても、それで店頭のジュエリーが動く訳でもない。
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つまり、必要なのは商売の感覚であって、そこに技術という理論や理屈が後付で伴ってくるというものになる。
本日も宝飾店の支援先で話をしていた観点は、お客様を楽しませる事だ。
東京大丸で人気スィーツ部門で1位に輝いた小樽のLeTAOのケーキの話や、雨が降るとミッキーマウスの柄が出る傘の話、COACHのバックを全品委託で貸してくれる業者の話、ゴルフ界のスター石川遼選手がキャラクターを務める磁気健康ギア『コラントッテ』のカタログ展開の話等々・・・・
全く、これだけ聞けば何屋か判らないが、でもお客様は楽しいお店に行きたい事は間違いないのである。
(これは、プロを有する販売スタッフがおり、宝飾をしっかりと置いている宝飾店だから出来る話なのである事は、付け加えておく)