美人は才能である
今日は東北の宝飾店へ!
先月は飛行機で行ったので、そんなに気にならなかったのだが、電車で行くと遠い遠い遥かに遠い。
東京からは最短でも3時間はかかる。
そして、どこのトンネルか判らないが、それを抜けると、雪化粧が広がっていた。
車窓から眺めていただけなのだが、その光景を見ると心なしか寒い感じが押し寄せてくる。
たまらなくなり生涯で2回目の新幹線コーヒーを頼む。
パソコンを開き、アイパッドを開き、意味もなくスマートフォンも手元に置いてコーヒーを飲むのもおつなものである。
しばらくパソコンを打っていると、急に暑さが込み上げて来た。
一瞬、何が起こったのか判らなかったのだが、ズボンからカバンから、アイパッドもスマートフォンもホットコーヒー塗れになっていた。
僕は、「アチッ」と言ったまま固まってしまっていた。どうして、そうなったのか判らないのだが、隣の席に置いていたコーヒーを通路を通った女性がヒックリ返してしまったのだ。
何やら女性が必死に謝っている。僕は、ずっと口を空けたまま、呆然と固まったままだ。
女性は、トイレから取ってきたであろうトイレットペーパーでカバンやズボンを泣きそうになりながら拭いていた。
「飲み物代やクリーニング代を払います!」と言っているのだけど、まだ状況が掴めない僕は、やっとの思いで発した次の言葉が「トイレットペーパーですね!」だった。
相手も「はい。そうです」としか言いようもなく、しばらく時間は過ぎていった。
時間と共に、状況が飲み込めて来たので、腹が立って、どんなヤツか見て怒ろうと女性を見ると、結構な美人さんだった。
思わず僕は、「大丈夫。大丈夫、こんな事は、よくある事ですから、気にしなくて全然良いですよ。あとはやりますから」とニッコリと笑って礼をしていた。
※よくある事って何やねん!俺っていったい・・・・・
駅に着くと先方の部長が車で迎えに来てくれていたのだが、茶色になったズボンとコーヒーの匂いをプンプンさせた姿を見て驚いていたので事情を簡単に説明すると、最初に質問された言葉は、「大丈夫ですか?」でなく「その女性可愛かったですか?」だった。
そして茶色に変色した資料を渡して部長と店長を含む本日の現場会議が始まった。
美人は才能である。