キャッチ
自分の感じた事を形に変えてこそ、人に伝わる。
絵画にしても、音楽にしても、芸術を生み出すアーティスト達は、感性を形に変えて行くものだ。しかし、形にすると言う事は、いつかは壊れるモノになるという事である。
壊れたものにしがみ付かず、ドンドンと壊す勇気を持ちたい。
ある宝飾店で1つの20万円以上もするダイヤモンドをチラシで一挙に30本以上販売した。
宝飾業界は、実質年間のマーケットサイズ(1年間の小売店が宝飾を販売した総額を日本の人口で割った場合の大きさ)といえば、6100円程度になる。
つまり、5万人の住む街だと、宝飾の総需要金額は3億程度だ。
以前は、このマーケットの大きさが12000円程度あったのだから、普通にしていれば売上が、当時の半分になっても不思議ではない。
その為、特に宝飾品は生きていく上で必要でないモノである事と、消費者が今まで購買経験を重ねてきた業界である事からも、普通の発想でコンサルタントをしても一切通用しない世界だと改めて思う。
ちなみに、業界の人達は、おそらく弊社の会長が書いたマーケットの真髄を弊社の社員よりも、熟知しており、僕が逆に教えて貰っていた。
大手の戦略も含め、集客は何?価格帯の括り方は?何を揃え、どんな商品が、いくらまでと全部、決まってしまっている。
ブライダルは除き、店頭で20万円以上する商品を置いていようと、そうそう売れるものでなく、手を変え、品を変え、四苦八苦しているのが現状だ。
そんな中、「宝石なんて欲しくない!」「宝石を買っても付けていくとこもない」「同じ様なものを昔、買った」という人に対して、チラシで「今、安いですよ~」といくら謳っても、何万円も財布に忍ばせて来店されるお客様の方が不自然に感じてしまう。
つまり、少々の事では、お客様はジュエリーを購買しようと思わないのだ。
そこで、その宝飾店は、大々的にスタンスを変えた。
タイトルは「お譲りします!!」である。それも抽選で当たった方のみ。
そのアイテムは、確かにお値打ちなのだが、20万円もした。(そこでの魅せ方は、省かせて貰う)
でも、お客様は動いたのだ。買って下さいではなく、お譲りしますというキャッチと、その理由に惹かれ、瞬く間に30本が売れてしまった。
その後、これは、ダイヤモンドだけでなく真珠も同様の効果があったのだが、やり方次第である。
決算の時も、普通に安いですよ!というタイトルでなく「1年で1番ジュエリーが安く買えるセール」とした方がインパクトは強く伝わるし、閉店セールも「この街で、今まで支えてくださった皆様、さようなら!」というキャッチの方が哀愁を漂わせる。
やはり、チラシや企画は、タイトルで、お客様の感情を動かさなければ、反応はないので、そこに200%の力を注ぐことが先決なのである。様は感情を動かすキャッチの仕方がポイントになるのだ。(当然、商品の中身を伴っていなければ意味はないのだが・・・)