より具体化へ
水を持って歩いている人がいたとする。
その人にとって、今、水は手元にあるので必要ない。
でも、その人にあなたは水を薦めなければならない。
あなたは、どんな水を薦めますか?
これが今の物販という商売における本質である。
つまり、ここでは新たな商品を手に入れる理由付けが、より明確に求められるのだ。
例えば、富士山の天然水は、富士山のバナジウム天然水と名前を変えただけで、実績が3倍上がったという様に、この水を飲んで見たいというイメージを演出することも一つである。
水素水やアルカリイオン水、海洋深層水、温泉水、酸素水等々、色々水の持つ成分の違いや硬度を含む機能を持たせていても、イメージ感には適わない。
缶コーヒー市場も同様にジョージアの独占していた中、今までにない「時間軸」という切り口で大ヒットしたコーヒーがある。
それが朝専用の缶コーヒー「ワンダ・モーニングショット」だった。
ハッキリと言って、他と比べても味の違いは判らない。
で
も、喫茶店のモーニングセットの様な、朝はコーヒーから始まるというイメージ感から、それを単純に午前中に飲む缶コーヒーがあっても良いのではないかと、ネーミングに朝専用と置き換えただけで一気にトップシェアに踊り出たものであった。
これ以外でも、時間軸で成功した朝シャンプー。
確か、洗面器にシャワーを付けた会社が、試行錯誤の上に流行させたものだったと思うのだが、時間がない朝のシャンプーのために資生堂は「リンプー」という商品を開発し、
ライオンのソフトinワン(最初は、ちゃんとリンスしてくれるシャンプーの意で「ちゃんりんしゃん」と呼ばれる)等のリンスインシャンプーという市場が生まれた。
こういうモノ余りの世の中では、持っている商品は必要ない。
でも、切り口を変えて、ターゲットを選定して、皆が皆、興味はないけど、その人にとってピッタリなものを提供するもの(提案)があれば、需要は生まれるものである。
我々、メガネや宝石業界において、商品のデザインや品質を伴う機能は、良いとして、
「じゃあ、誰に!」をより具体化に移していかなければ伝わらないのかも知れない。