レモンの威力
皆さんは、アカロフの「レモンの原理」をご存知だろうか?
レモンと言っても、あのスッパイものでなく、経済学で言うところの質の悪い中古車の事を指しています。
簡単に言うと、中古車を扱う市場がある。普通、売り手のディーラーは自分の扱っている車の品質(痛み具合)をよく知ってるが、買い手にはその品質(痛み具合)が、よく判らないものだ。その為、買い手は中古車の品質を期待値で類推するしかなく、大体は、その価値を低めに見積もってしまう。
すると、折角、良い車を売ろうとしていた人までも、自分の車の品質に見合うだけの価格が得られないことになるので、優良な車をもっている人までも売ることをやめるようになる。すると市場には優良な車が少なくなって、このことが価格の下落を招く。すると、ますます優良な車の所有者は売らなくなる。するとまた市場に良い車が減る。価格が下落する。良い車を売らなくなる。市場に良い車が減る。
これが言わば、レモンの例えで出された「情報の非対称性」が存在する市場では、需要と供給における効率的取引が不可能である事を提示したものである。
まっ!経済学の本なら当たり前に出てくる項目なのであるが、簡単に言うと「粗悪な中古車の存在が中古車全体の統計的品質を引き下げてしまう」という事になる。
お店の中で展開される商品でも、接客をして価値を伝える販売員さんでも、店の雰囲気でも、一つの粗悪なものがあれば、その威力は強烈に働き、全体的なものまで下げてしまう環境を作ってしまうのでしょうね。
※ここで言う安い商品が悪いということではないので誤解されない様に。