蛹化
世の中は、益々進化してます。
幼虫が蛹(さなぎ)に、そして蛹(さなぎ)が蝶へと変わる姿を蛹化(ようか)と表現される様に、何十年と培われてきた常識というものが、一夜で変わる時代です。
例えば、ヨーロッパの方では、一つのアプリケーションがタクシー会社を壊滅させようとしていると聞きました。
そのソフトは、日本で言うと日本交通が展開しているスマートフォン向けタクシー配車アプリ「日本交通タクシー配車」みたいなもので、全国どこにいてもGPSで位置情報を把握し、スマートフォンでタクシーを手配できるというものです。
これが、仮にタクシー会社が展開するのでなく、日本で個人タクシーがドンドンと登録されていく様になると、別に会社に属さなくても、配車を行うことが出来ますし、本社への取り分や、歩合に縛られる事がありません。
私達、宝飾業界でも、ネットで原石からダイヤモンドが買えるシステムが出て来ています。
つまり、まるでその場にダイヤモンドがある様に360度ダイヤモンドが見れて、内包物が確認でき、カットの指定が出来て、輝きまで表現出来るシステムです。そうなると、わざわざ海外まで仲介業者を通してダイヤモンドを買いつける必要もなく、直接やりとり出来るのです。
現在は、昔みたいにモノへの憧れ(車や家電、住居、宝飾品、時計)を目指して頑張るというよりも、生まれた時からモノが溢れている時代が前提となっています。
すると、より安く(問屋を通さず直接売買)、より便利(ネット環境)という要素が当たり前になってくるのですが、そこに付加価値が加わらなければなりません。
欲しいものを探すよりも、お客様に欲しくなって貰うこと。
言い換えると、どんな商品でも、それを欲しいと思っていただける力が必要になるのです。
これは確かに安さや便利という要素に左右される以前に、空間、演出などを踏まえて人が人に直接伝えていく事が最も効果的だと思います。
それがリアルの強みになるのです。
リアル店舗における画期的な蛹化は何なのか、お客様に欲しくなって頂ける演出は、どうしていくのか?そこに、自店が差別化出来る応えがあるのです。