貰う価値
モノには価値がある。
正確に言うと、商品そのものの基本価値と、それに伴う提供価値というものがあるという事だ。
仮にビールだと、ビールの味という基本価値の他に、①酔っぱらう②気持ち良くなる③嫌な事を忘れられる④喉が潤いスカッとする⑤達成感を味わえる等々、シーンに応じて違うが、必ずこの提供価値が本質として備わっているのである。
その為、これを「人はモノを買っているのでなく感情を買っているのだ」と言われたりもする所以である。
メガネでも、その時に売ってしまえば、それで終わる訳ではない。その後、毎日を快適に過ごせる状態や、顔の真ん中にあるものとして周りから見られる反応、スポーツの時にはどうか?お出掛けの時には?家の中にいる時には?パソコンや事務ワークや本を読んでいる時には?等々、様々な環境において感じる一つ一つの感情も含めた提供価値が発揮される。
だから必然的に、アフターフォローも含めて1年後でも、2年後でも、そのメガネに伴う提供価値を受け取るという事を見届けるまで付き合いは続いているのである。
貰う価値を上回る価値を必ず相手に与える姿勢が、お店の信用であり、ブランドへと導いてくれる大鉄則になるからだ。
僕らも自分への研究開発費を投資し、様々な書籍を読み、講演を聞いたり、何十万円もする時計や万年筆、スーツや靴を揃えたりもしている。
そもそも、お金を出さなければ必要なそのモノにおける提供価値が入ってこないからだ。
でも、僕らの場合も当然、払う価値以上の何かを受け取る事を期待するのだが、その内大体10%ぐらい支払った価値以上に自分に残れば良いと思っている。
小売店でも何かを販売して、売上が立ったとしても最終的に会社に残る利益は、5%ぐらいなのだから、そんなもんである。
これは人に投資するのも同じで100その人の為に頑張ったとしても10が自分の利益として戻ってくれば御の字としようという姿勢で良い。