人間は考える葦である
「人間は考える葦である」と言ったのはパスカルだった。
中学校の時だろうか?これを葦と読めずに、皆の前でワラと読んでしまったのは・・・・
ここで言いたいのは、本来、人間とは生れた時から、人の手を借りなければ直ぐに死んでしまうぐらい弱い生き物なのだが、唯一考える知恵を持っている。するとトラやライオンの様な猛獣でも倒せるぐらい地球上で最も強い生き物にもなるものなのだ。
もともとジャン・ド・ラ・フォンテーヌの寓話「オークと葦」の中でも出てくる引用で、
「嵐がくればオーク(樫)は倒れるが、葦(アシ)は立っている」ということわざにもあるぐらい、ヨーロッパにおいて葦は弱さと同時に強かな存在とされていたものだった。
一見、弱そうにフニャフニャと揺れている、この草が何故、倒れないのか?
それは、樫の様に根が強いだけでなく、強い力に抵抗することなく、流れに乗れる事にあるのだろう。
本日の支援先で「地域密着」とは何を意味しているのか?という事を教わった。
その店は、宝石、時計、メガネの兼業店で、旧商店街の中にあっても実績は好調だ。
秘訣は、やっぱり客数にあって、月の客数は600人を軽く越えている。
何故、ショッピングセンターでも300人の客数を切る専門店が多い中、人通りの少ない商店街の路面店でも600人以上の集客を出来るのかというと、それは修理を積極的に受けているからにある。ちなみに実績は5ヶ月で7000万円を超えていた。
電池交換、時計の修理、メガネの修理、宝飾の修理。
社長曰く「地域密着とは、何かとずっと考えていました。でもやっと判った気がしま
す。
地元のお客様が、困った時に助けて上げられる店です。うちは兼業店で本当に良かった。時計の修理のお客様も家族と一緒に来て、ついでに商品を見たり、例え、その時購買されなくても後日また来店されたりされるのです。街の便利屋さんかも知れませんが、自店は、地域密着店を目指します」と。
どんなに巨大なチェーン店でも、大きな嵐が来れば倒れるかも知れない。しかし、小さくても地元に足を付けて、時流に合わせて対応出来る店は、見えない「信頼」という力で皆から支えられている。そんな気がしてならない。