蛻変(ぜいへん)
人は動けば変わり、止まれば太るだけ・・・・・うん!良い言葉だ。
例えば、僕の大切な支援先で1ヶ月に特定ブランドフレームを26本販売したところがある。
その前の月も1ブランドフレームで30本だと言うから驚きだ。
金額も決して安くなく、1本のフレームだけで4万円近く(5250円のレンズ付きセットもあるのに)かかり、値引きは一切出来ない商品なのに、これだけ販売されているのは、紛れもなく価値を提案し、お客様との共感が出来ているから売れているのである。
でも、これが、宝石とかになると自分達の器で判断してしまい、新たなチャレンジに二の足を踏んでしまうのが、非常に残念に感じてしまう。何故、メガネは出来て、宝石では出来ないのか?
答えは簡単だ。宝石というものが知らないからだ。いや、厳密に言うと自分達の範疇にある宝石は知っているけれど、範疇にない宝石が、果たして売れるかどうかが、全く見えないからだ。
そのスタッフの販売力は間違いなく僕の知る中でも優秀であると断言できる。
お取引商社の宝石メーカーさんも、口を揃えて褒めている。
でも、自信がないと急に範囲を狭くしてしまい、慣れ親しんだ企画に安全を求めてしまうのが人の常なのかも知れない。商品を売っているのか?業態を売っているのか?
業態を売っているお店は、何でも自分を売るので何でも売れる。
ゴルフクラブでも野球のグラブでも、ジョギングシューズでも何でもそうだが、今まで使っていたも
のを新しく変えた当初には、誰もが今までよりも悪く感じてしまう。でも、使っている内に体に馴染み出し、ある瞬間を境に、ドン!!とスコアが伸び出してくる経験をした人も多いだろう。
生れたばかりのオタマジャクシが、ドンドン太ってもオタマジャクシである。
夏のセミでも幼虫が丸々、太ったとしても、それは成長ではない。
オタマジャクシがカエルになり、幼虫が蛹から成虫になることを昔から蛻変「ぜいへん」と言うが、蝶は、毛虫として生き、蛹として生き、やがて美しい蝶の姿で空を舞うことから、姿形は変わり成長するが、本質の部分は残しているというものである。
店も同じで、本質的なものを残しながら、新たな蛻変を繰り返していくこと。
これがお客様との将来における大切なコミュニケーションになるのだと思う。