販売力
日本橋アパホテルが4月1日をもって閉館してしまった。
この上なく寂しいものである。
さてさて本日、ご支援先で先日行った健康ジュエリーフェアの報告を受けた。
そのフェアはブラックシリカをメインにした健康ジュエリーであるが、ブラックシリカ自体におけるブームは既に過ぎ去っており目新しさは全く感じられない企画だった。
その為、お店側も半信半疑でハガキDMを何枚か送った程度で、ほとんど集客に力を入れなかったのだろう。
「正直、開催当日の朝礼時でさえ今回のフェアにおける来店は、ほぼないと思ってました!」というのが社長の率直な感想だった。
しかし、結果2日間で300万円以上売れた。
それもハガキを見て来店された人は、たったの1人だったにも関らず7人が購買されたのだ。平均単価は50万円近い。
では、誰が購買されたのか?
それは、健康ジュエリーを見に来た顧客でなく、たまたま電池交換とかの用事で来店されたお客様が購買されたのである。
電池交換は目的客なので、来店時には、健康ジュエリーを見る気も、興味も何もなかった筈である。
しかし、それらのお客様が70万円以上もする健康ジュエリーを購買されていったのだ。
通常は、可笑しな話である。しかし、これを可笑しな話にしないだけの人間力が違った。
そこには業者の中で一番販売力のある販売スタッフ(マネキン)が応援に来ていたのである。
そのマネキンの応対には、誰もが驚かされた。
すると、いつの間にか、お客様は席に座って説明を受けている。
中でも凄かったのは、それぞれ全く関係のないお客様2人を一緒の席で同時接客をしながら決めていた事だ。
商品自体は、社長も自分で使ってみて、実際に自分で購買した程、効果を感じたものだから変な商品ではないし、全国の宝飾店でも実績はあるものだから間違いはない。実際に僕も良く似たものを付けている(僕のは安物だが)
しかし、ここで凄いと感じた事は、店頭に入って接客されるまでニーズを感じなかったお客様が、たまたま修理に訪れたお店で、普段、お店にいないマネキンさんに共感して、
70万円以上の商品を購買されていった人が3人もいらっしゃったという事実である。
相手の悩みを明確化して、具体的に本人にも判る様に視覚化させる。そして、その解決方法としての提案をして実感を共感する。
まさに医者である。
社長は、それを僕に報告しながら「うちは1ヶ月に電池交換に来られるお客様が600人ぐらいいます。もしあの人が、うちに1ヶ月もいたら、一体どれだけ売上をつくるのでしょうね・・・・・」と呟いたのが印象的であった。
商品の品質には限界というものがある。設備も同様だ。
しかし、唯一、上限がなく未知数なもの・・・・それが人間が関る販売力なのだろう。