重点商品はいくら?
「面白きこともなき世を面白く」とは高杉晋作の辞世の句 で、「面白いことなんてない世の中を面白く生きてきたから俺は満足だった!!」という意味なのだけど、これを最初に聞いた時、幕末という激動の中、最後に出た言葉の重みに凄く深い意味を感じた。
それをそれを後から「すみなすものは心なりけり」と下の句をつけたりすると
森進一さんじゃないけど、あの世できっと高杉さんは怒っているに違いない。
さてさて、宝石業界は、そろそろクリスマス商戦に備え佳境に入ってきている。
今日は、淡路島から帰ってきて、ほっと一息。凄い閉店改装セールの最中だった。
何か異様に売れてる。
大手ボランタリーチェーンで企画を決め、クリスマス限定の重点商品を準備する。重点商品は、集客商材のアクセサリーやピアス等々で来店されたお客様にも見て頂きたい販売スタッフのオススメ商品を指す。
その価格帯を、ほとんどの宝飾店では今年は2万円から3万円に置いている。
確かに、この価格帯で付加価値を付けると売りやすいのかも知れない。でも、2万円や3万円だと所詮、使える素材はK10やK18であって、デザイン性にも限界は来る。これだと間違いなく、全体の単価は下がり、売上は落としてしまうだろう。
世の中は不景気だ。だけど、宝石を買っている人達、皆が2万円、3万円の宝石しか買えないと本気で思っているのだろうか?
1年に1度、頑張った自分へのご褒美や、世界中で一番大切な人へのプレゼントとして購買されるお客様への自社の提案商品が2万円で良いのだろうか?
だから、自分達の物差しだけで、お客様を見るのでなく、僕は迷わず、重点商品に10万円ラインを提案している。その商品に対してポスターを作り、特別ケースを作り、付加価値のこだわりを準備する。
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その結果、2万円が売れても良いし、3万円が売れても良い。
だけど、最初から売れないと諦めて、期待して来店されたお客様を低単価のアクセサリーだけで失望させたくないという気持ちがある。
重点商品をどの価格帯の何にしているのかで、その店のグレードが判り、お客様の期待度も見えてくるのだ。