店都合なコンタクトの備品
商売人である以上、私達は仕入れた商品を買ってもらいたいといった気持ちを誰もが持って経営をしています。しかし売れる売れないを判断する基準で大切なポイントは、
「何を私達が売りたいのか」というよりも「お客様は何を買いたいのか」という視点にある様に思えます。
例えば先日、関東の1週間連続出張の初日、運が悪く雨が土砂降りでした。傘を指していても雨でスーツはベチャベチャで、6日分の着替えと大量の資料の入ったパンパンのカバンを持ってホテルに向かう途中にコンタクトの洗浄液が無いことを思い出しました。
そこで、某八重洲口にあるメガネ●●でコンタクトの洗浄液を購買しようと立ち寄ると、そこには数種類のコンタクト洗浄液が並んでいました。
しかし、そのどれもが2ケースや3ケースがセットになっていて、とても今のカバンに詰められませんし、ただでさえ重いカバンが、更にメガトン級の心理的重さに変わるので、買うか買うまいか、しばらく悩んでいました。そこでダメを承知で店員さんに「バラで売って貰うことって出来ませんか?」と一応聞いてみると、予想通りの愛想もなにもなく「セットなので」と返答されました。
結局、仕方なく、購買してメガトン級の2セットの洗浄液が入った袋を持って出張を続けたのですが、私は、その店に聞きたい。
「ここは誰が見ても完全にオフイス街の真ん中。住宅が密集している場所や週末に買出しを行くような郊外SCでもない。店頭を横切る通行客のほとんどが出張や会社の通勤という目的を持って歩いている人ばかりだろう。すると洗浄液一つにしても出張や通勤途中で購買すること人が多く、その人達のことを考慮する品揃えをするのであれば、2セットや3セットばかりでなく、1本からの品揃えが何故出来ないのか!1本では儲からないと決めている店の都合意外、何があるのか!これを誰に買って貰いたいのか!これだったら、
ビジネスホテル街の中にスーパーがあって、白菜やキュウリ、魚や肉が並んでいる様な店と変わらないではないか!」
これは大袈裟かも知れませんが、好きなメガネフレームだけを集めている店、売れ筋だけを品揃えし、偏っている店、古い滞留品が目立つ店、お客様の用途を無視して自分の好き嫌いで両面非球面等のレンズを一切薦めない店等、結果同じことをしているのかも知れません。
顧客の変わりに仕入れているという事実を忘れないで下さい。