本気の思い
みなさんは「サン・モトヤマ」って言う会社をご存知でしょうか?日本で1番最初にグッチを正式に扱う事ができた代理店です。この会社における、とても感動する逸話をご紹介したいと思います。サン・モトヤマ社長の茂登山氏は、当時、普通の個人商店主に過ぎませんでしたが、彼はヨーロパに買付に行ってはグッチの本店に足を運んで眺めながら「グッチは素晴らしい!是非とも日本で売ってみたい」との決意をいつも固めていらっしゃいました。
しかし、当時のグッチは世界各国に直営店を出していて、その直営店でしか売らないという頑なまでの姿勢を貫いていました。それに対して英語もろくに話せない茂登山氏が日本での販売権を取れる訳がありません。それでも数年間、グッチの本店に通い続けた。そんなある時たまたまグッチの社長が来社していて「名物の日本人が今日も来ている」ということで興味本位に会ってくれる機会が得られました。
しかし、グッチの販売方針を日本だけ特別扱いにすることはできず、体よく追い返されそうになりました。その別れ際に「せっかくだから」と、つまらない銀製品をプレゼントされたそうです。そこで茂登山氏は、その粗品を恭しく受け取り、丁寧に持っていたハンカチで包み出したそうです。これが、グッチの社長に感動を与え、「この日本人は、きっと我社の製品を大切にしてくれる」と思われ、唯一の例外として茂登山氏だけに独占販売権を認めたというお話です。
あの商品を仕入れたいとか、あのブランドが欲しい、あそこの会社とお付き合いしたいとか色々な思いは誰もが持っているものです。
でも直ぐに諦めてしまう場合が多々あります。
あきらめてしまうかどうかは、本気で腹の底から沸きあがる程の思いが根にあるかどうかで決まる。
結局、人を最終的に動かすのは、損得勘定ではなく、その人の持つ人柄や人間性、性格、そして「心」といった部分が必要なんだと、つくづく、その想いの柱の大きさを考えさせられます。
メガネ店オーナーのみなさんは、本当にメガネが好きで自分が作るメガネを付けて
喜んで貰いたいという想いから商売を始められた方も多いはずです。
企業であるからには売上をあげて利益を出すことが使命でありますが、皆さんの根
底にあるその熱い本気の思い決して忘れないでいただきたいと思います。そして同
じ職場で働く社員はその考え方に共感して働いている仲間であることを忘れないで
いただきたいと思います。