常識の中で
この話は、皆さんもご存知の方も多い有名な話ですが、常に自分で考え、行動を貫き通せば、それが常識へと変わるというものです。
当初、走り高跳びの競技は、棒に腰掛けるように飛ぶ「はさみ跳び」から始まりました。昔、子供の頃にゴム跳びみたいな跳び方です。
その後は、助走を効果的に活用してお腹から跳び込む「ベリーロール」が主流へと変化しました。
しかし、ベリーロールが苦手だったアメリカの若者「ディック・フォズベリー」は、流行遅れの「はさみ跳び」しか出来ませんでした。
そして試行錯誤しているうちに、バーに寝そべるように跳ぶ「背面跳び」を編み出すのです。
誰もが、その跳び方をバカにする中、フォズベリーは、自分が楽しむ為、自分が好きな体制で跳びたい事を貫き通したのです。
そして1968年、フォズベリーは「背面跳び」をひっさげ、メキシコで開催されたオリンピックで金メダルを見事に獲得する事に成功したのです。
その後も、スポーツ専門家は、危険だとか、姿が滑稽だとか、従来の常識から非難をし続けたのですが、背面跳びは世界の常識となり、世界記録も背面跳びから生れ続けています。
水泳でも1970年代後半、これもアメリカのジェシー・バサロが考案し、鈴木大地選手がソウルオリンピックの時に、30メートルもの距離をバサロ泳法で遊泳し見事に金メダルを獲得したことを今でも覚えていますが、あれも一つの常識破りなことでしょう。(今では距離制限がありますが)
私達も商売や経営というものを通して考えた場合、色々なことを見ていかなければならないのかも知れません。
例えば、お客様に名前を覚えて貰ったり、印象を残したいのであれば、お礼状を1枚書いて次に1年後に1枚、1年半後に1枚の手紙を出すより、3ヶ月連続出した方がお客様の印象に残るものでしょう。
補聴器の電池にしても、コミュニケーションを高めたければ1年間電池を無料にして、3ヶ月分を1回1回お渡しすれば、年間4回は店頭でもフォロー出来るかも知れません。
世の中に正解はなく、自店がどうして行きたいかが全てで、それが常識という枠の中でしか頭が考えられなくなると、そこに差別化というものが除々に色あせてしまっているのかも知れませんよ。